少年サッカートレーニング!テーマを明確にすれば誰でも成長します!!

こんにちは。debuyaです。
今回は、6/14に行ったトレーニングを紹介したいと思います。

新年度になってから私は、小学2年生以下の子ども達を担当しています。
低学年でゴールデンエイジ期間にもなっていない子ども達なので新年度になってからはまともなサッカートレーニングをしていません。

新型コロナウイルスの影響による自粛期間があり、トレーニング期間が少ないという前提もありますが、トレーニング期間のほとんどは、遊びのゲームや運動機能を高めるようなトレーニングしかしていません。

なぜなら、この年代は遊ばせる、楽しませることでサッカーが楽しいと感じてくれることに重きを置いているからです。
よく育成年代は神経系が発達しやすく、足下の技術を磨くのに最適だという理由でコーンドリブルやボールタッチなどを何時間も永遠と行っている指導者もいらっしゃいますが、私は良いとは思いません。

良いと思わない理由はいくつかあるのですが、私の中での最大の理由は、子ども達が楽しそうにサッカーをしてくれないからです。
低学年の子ども達にコーンドリブルなどのトレーニングを行うとやらされてる感満載の表情になります。

私は、この感じが好きではありません。
一部の巧い子ども達は、黙々とやり続けますが、多くの子どもは「面倒くさい」、「しんどい」、「地獄だ」といった苦痛にしか思っていません。

だから、この年代の子ども達は、思いっきり遊ばせて楽しくサッカーをしてくれるのが一番だと考えています。
しかしトレーニングの100%を遊びばかりしていると「この指導者は本当にサッカー巧くさせてくれるのかな!?」という不信感にも繋がると思っているので、今回はひとつだけテーマを与えてトレーニングしてもらいました。

結論から言うと、自分で言うのもなんですが、今回は非常に効果があったと思います。
今回行ったトレーニング内容やどんな風にトレーニングしたかを紹介していきますので参考にできる部分があれば是非参考にしてみてください。

ウォーミングアップ

少年サッカー トレーニング

・トレーニング内容
両手でボールを真上に投げてキャッチ
両手でボールを真上に投げている間に多く手を叩いてキャッチ
ボールを地面に叩きつけて落ちてきたボールをキャッチ
ボールを地面に叩きつけて一度地面にタッチしてからキャッチ
足にボールを挟んで上に上げてキャッチ(前)
足にボールを挟んで上に上げてキャッチ(後)
ボールタッチ(縦踏み)
ボールタッチ(サイドタッチ)

・子ども達に伝えたポイント
どうやったら上手く成功できるか考えながらすること

・トレーニング成果
楽しくやっていた

・今後の課題
様々な体の動かし方を取り入れていくことが必要

・寸評
最初はウォーミングアップとしてキッズリーダーなどでもあるようなボールを使った様々な運動をしてもらいました。
サッカーのトレーニングではなく、運動機能を高めるためのトレーニングと言えます。

極論になりますが、「運動神経が良い子=自分の身体の使い方を理解している子」と私は定義付けているので、ボールのキャッチなどを上手く行うためにどうしたらできるか!?ボールをどのように扱えば成功できるのか!?を考えながらやってもらいました。

結論から言えば、子ども達が考えてやっているかは解りません。
考えながらしている子もいるでしょうし、実は何にも考えずにやっている子もいるかもしれません。

正直、私はどちらでも構いません。
最大の目的は子ども達が楽しくやってくれるということが最重要課題だと思ってやっているからです。

だからトレーニングをしてない子がいれば「やってみよう!」とか「チャレンジしてみて!」など優しく声を掛けて促しますが、強制はしていません。
やりたくなったら子どもは勝手にやってくれるので、やるかやらないかよりも楽しんでする事が重要だと考えています。

ボールの奪い合い

引用元:YouTube サカイク編集部 https://www.youtube.com/watch?v=sz9Gff_3bbI&t=11s

・トレーニング内容
四角形のコートを作成し各角(4カ所)に適当に陣地を作ります
4チームに分かれてもらい各角にいってもらいます
ボールを7個四角形のコートの真ん中に置きます
スタートと同時に各チームのひとりが真ん中の7個のボールの一つを手に持って陣地に持っていきボールを置きます
ボールを置いて次の人にタッチしたら次の人も同様にボールを取りにいきます
真ん中のボールが無くなったら他の陣地にあるボールを奪ってきます
いち早くボールを3個集めたチームの勝ちになります

・子ども達に伝えたポイント
状況判断が大切
アドバイスや励ましはOK、批判はNG

・トレーニング成果
楽しくやっていた

・今後の課題
基本はボールを手に持って行うゲームだが、「運ぶ」、「止める」がしっかりできるようになれば手ではなくドリブルでやるという応用はできるかと思う

・寸評
動画の通りのトレーニングで鈴木啓太さんのオリジナルトレーニングというよりも広く認知されているトレーニングだと思います。
動画内でも言っていますが、状況判断を養えるトレーニングだと思います。

低学年の子ども達が行えばコツも分からず、状況判断も乏しいので、瞬殺で勝負が決まるトレーニングになります。
実際、1、2回何も言わずにやらせましたが、すぐに決着がつきました。

なので、子ども達に考えてもらうために質問攻めです。

私 「このゲームは4チームあるけど勝てるのは何チームかな!?」

子ども達 「1チーム!!」

私 「そうだよね!?じゃあ3チームは負けちゃうんだよね!?」
私 「ボールを何個揃えたら勝てるんだった!?」

子ども達 「3個!!」

私 「じゃあ、3個の前は!?」

子ども達 「2個!!」

私 「じゃあ、自分たちのチームが勝つためには、どこにあるボールを狙って奪わないといけないかな!?」
私 「ちょっと考えながらやってみて!!」

こんなやりとりをしました。
子ども達はちゃんと頭を使えます。
1、2回目に瞬殺で終わったゲームが質問攻めをした直後の3回目では熱戦になりました。

数回行いましたが、勝ったチームが1チームに偏らなかったのも嬉しい誤算でした。
また、途中で効果があったかどうかは解りませんが、こんな指摘もさせてもらいました。

私 「ボールが2個あるかどうかは、どうしたら分かる!?」

子ども達 「状況判断!」、「周りを観る!」

私 「お〜!そうだね!!じゃあ、状況判断って言ったけどいつする!?」

子ども達 「???」、「動いてる時!」、「ボールを取りに行く時!」

私 「お〜!!じゃあ、動いてる時だけ観れば良い!?」

子ども達 「???」

私 「答えが出ないから言っちゃうけど、順番を待ってる時も周りは観れるよね!?」
私 「サッカーってボールを持ってる人は何人!?」

子ども達 「ひとり!!」

私 「じゃあ、他の人はボールを持って・・・!?」

子ども達 「いない!!」

私 「そうだよね!?じゃあ、ボールを持っていない人はボーッとしてる!?」

子ども達 「してない!!」

私 「そうだよね!?じゃあ、できるだけ周りを観れるようにしよう!!」

こんなやりとりもしました。
何度も言いますが効果があるかないかは解りません。
今後のおたのしみです。笑

1対1

引用元:YouTube サカイク編集部 https://www.youtube.com/watch?v=mTLr_lEd3Nw

*動画はあくまで参考です。
小学2年生以下の子ども達にこれだけレベルの高い要求はできません。

・トレーニング内容
マーカーを使って8m前後くらいの正方形を作ります
オフェンス側とディフェンス側で対角になってもらいます
ボールはディフェンス側にあり、ディフェンスがオフェンスにパスを出して1対1のスタート
オフェンスは両サイドのラインを越えれば勝ち、ディフェンスはボールを奪ってラインを越えれば勝ち

・子ども達に伝えたポイント
ディフェンスは、とにかく早く間合いを詰める
オフェンスの近くにきたら左右に対応できるためにステップを細かくする

・トレーニング成果
プレスに行くスピードが格段に上がった

・今後の課題
ボールを失わないためにオフェンス側を鍛える

・寸評
今回のメイントレーニングであり、前述したひとつだけテーマを与えたサッカーのトレーニングです。
このトレーニングをする前の段階で一通り様子を見て、オフェンスが上手くいってたらディフェンスの指摘、ディフェンスが上手くいってたらオフェンスの指摘をすると予定を立てていました。

これまでまともにサッカーのトレーニングをしていないので、どうなるのか私も予測不能だったので、どちらの想定もしていきました。
子ども達にはトレーニングに入る前に「これまでサッカーのトレーニングらしいトレーニングをしてないのって知ってた!?」、「今日はひとつだけサッカーのトレーニングをします!!」とサッカーのトレーニングをこれから行うという事を前もって意識してもらいました。

最初にトレーニングの説明だけして、実際にトレーニングをしてもらうとオフェンスがスイスイと簡単に突破していきました。
その時点で「なぜ簡単に突破されてしまうのか!?」の課題の克服がテーマに決定しました

一回り子ども達にしてもらってからトレーニングを一旦止めて指摘をしました。

私 「みんながやってるディフェンスをちょっとコーチがやってみるね!?」
私 実演(ダラダラっとディフェンスに行く)
私 「これって良いディフェンス!?」

子ども達 「良くない!!」

私 「何が良くない!?」

子ども達 「???」

私 「ボールを持ってる相手との距離は!?近い!?遠い!?」

子ども達 「遠い!!」

私 「これだとボールは取れる!?」

子ども達 「取れない!!」

私 「じゃあ、どうしなきゃいけない!?」

子ども達 「近くないといけない!!」

私 「じゃあ、近くするためには!?」

子ども達 「???」

私 「パスを出した後に全力ダッシュをして相手に近付かないといけないよね!?」
私 「みんな全力ダッシュしてた!?」

子ども達 首を横にフリフリ

私 「じゃあ、まずはパス出した瞬間に全力ダッシュで相手に近づこう!!」
私 「ただし、全力のまま行くと簡単に交わされちゃうから近づいた時には、ステップは細かくして!!」

こんな長いやりとりをしてから再度同じトレーニングをしてもらいました。
まだまだ低いレベルですが、効果は明らかに出てディフェンスのボール奪取率が明らかに上がりました。

トレーニングの時間は、かなり多く残されていましたが、実際にトレーニングした事を実戦でやって欲しかったので、そのまま最後までゲームをさせました。

個人差は当然ありますが、ゲームの中でもアグレッシブにボールを奪いに行く子供の数が明らかに増えました。
周りの大人達が見ていても子供達の変わった姿は明らかにわかりました。

自分で言うのもなんですが、内容の濃い良い1日のトレーニングになったと思います。

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*上記リンクは外部リンクです。

全体を通してのまとめ

少年サッカー トレーニング

今回のトレーニングは子ども達に良い変化が現れて非常に良いトレーニングができたと感じました。
ただし、言った事をすぐに忘れてしまうのも子どもの特徴と言えます。

ある子に「今日大切な事をひとつだけ言ったけどなんだった!?」と聞いたら速攻で忘れてました。
まあ、そんなもんです。
大切な事は、この大切な事を積み上げていく事、積み上げるために反復させること、反復させるためにトレーニング内容が変わったとしても大切な事を指摘し続ける事だと思います。

次回のトレーニングをした時にどうなるかは分かりませんが、恐ろしくもあり、楽しみでもある次回のトレーニングです。

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