こんにちは。debuyaです。
今回は、前回のトレーニングの復習プラス前回のトレーニングで新たにでた課題の克服です。
大きなテーマとしては、前回のトレーニングと同様に「攻守の切替えの早さ」、「ディフェンスの(チャレンジ&カバー)のチャレンジ役の人がしっかりとボールホルダーにプレッシャーを掛けること」にプラスして前回のトレーニングで出た「攻撃の質の改善です。」
今回行ったトレーニングは
ウォーミングアップ(パス&ゴー)
2人1組のパス
複数人縦に並んでのパス&ターン
クロスからのシュート
2対2
ゲーム
を行いました。
では、順番に解説していきます。
トレーニング1 ウォーミングアップ(パス&ゴー)
ウォーミングアップは、前回のトレーニング同様に通常のパス&ゴーをアレンジさせたものです。
どのようなパス&ゴーか詳しく知りたい方は、前回あげた記事少年サッカートレーニング!前の試合で課題が出た攻守の切替え!!を参考にしてみてください。
トレーニング2 2人1組のパス
次に2人1組になってもらい対面でのパス交換です。
このトレーニングはジュニア世代では、よく見かけるトレーニングだと思います。
今回、子ども達の基本技術の向上とウォーミングアップを兼ねて改めてトレーニングしてもらいました。
注意するポイントは、子ども達には常に伝えていて量もかなり多くのことをこだわってするように伝えているので抜粋して言いますと
・コントロールは足下にピタッと止めること
・パスの質を弾ませずに強いボールを蹴ること
・ミスしても良いけどできるだけ横ズレしないこと
以上が今回、特に指摘したポイントになります。
コントロールに関しては、「クッションコントロール」や「ウェッジコントロール」、スペインで有名な「コントロールオリエンタード」など言葉だけでも様々なコントロール方法がありますが、今回こだわってもらったのは「足下にピタッと止めるコントロール」です。
理由としては、子ども達は6年生なので、なんとなくならどれだけでも上手にコントロールできます。
しかし、コントロールした後のプレイスピードをより早く行うことを目的とするのであればボールと体をできるだけ近い関係にする必要があります。
この「足下にピタッと止めるコントロール」は、前名古屋グランパス指揮官である風間八宏氏も常に言っています。
「ボールの息の根を止める」ことで左右どちらの足でもパスができるようになり、ボールが動かないからパスの精度も上がると。
私としても子ども達にプレースピードを上げて欲しいという思いもあって再度、強調して伝えました。
パスの質は、低学年の時から特にこだわっている部分です。
子ども達の成長スピードもありますが、今預からせてもらっている子ども達は、パススピードと精度が上がってきません。
蹴り方の問題、理解の問題、シチュエーションの問題など理由は様々ですが、プロの選手と一般の選手の大きな違いのひとつはパススピードと精度です。
「弱いパスしか蹴れない」と「わざと弱いパスを蹴っている」では、同じ弱いパスでも決定的に違います。
後者は強いパスを蹴ろうと思えば蹴れるのです。
Jリーグで有名な中村俊輔選手や遠藤保仁選手などは、試合の局面によってパスの強弱を使い分けます。
なのでテレビで観る場合には、遠藤保仁選手のパスは弱く感じるかもしれませんが、実際はものすごく早くて正確なパスを蹴ります。
子ども達自身は、自分は強いパスを蹴っていると思っていますが、もっと早くて正確なパスを出せる同年代の子ども達がいっぱい存在しています。
できるだけ高い目標のためにパス質は常に強調しています。
もちろんパス一本をとってもチャレンジしてもらうわけですからシンプルな対面のパス練習であってもミスは出てきます。
なので「ミスは全然オーケー!だけど10本蹴って10本ミスしてたら進歩はないよね!?」と子ども達には伝えています。
トレーニング3 複数人縦に並んでのパス&ターン
次は先ほどの対面でのパスの延長線のトレーニングで4〜5人縦に並んでもらってパスを受ける選手が180度ターンしてもらうトレーニングです。
このトレーニングでのポイントは止めたボールを中心にして同時に体を180度ターンしてもらうことです。
サッカーでトラップする際にターンをする時にはボールを流してターンをすると思います。
理由としては、その方が「やりやすいから」です。
トラップする時にボールをターンしたい方向に流せば必然的に体がターンできます。
私も子ども達が低学年の時やコントロール技術が未熟な時は、それでオーケーを出しています。
ただし6年生、中学生、高校生とカテゴリーが上がってくると、プレースピードの早さをより求められます。
先ほどの対面でのパスでも同じ原理ですが、足下にピタッとボールを止めることによってボールと体の距離が離れないわけですから、すぐにパスやドリブルといった選択肢ができるようになります。
足下にボールを止めれたとしても相手は360度、全方向からプレッシャーを掛けてきます。
より良い攻撃をするためにはボールを止めると同時に体の向きも思い通りに作る必要があります。
なのでボールを足下にピタッと止めて同時にターンをするトレーニングをしています。
ポイントとしては、ボールを止めると同時にちょっとジャンプしてターンすることです。
子ども達には、「コンパスのイメージでターンしよう。」、「コンパスの中心がボールでボールを中心に自分の体がターンするイメージでやってみよう!」と伝えました。
何気ない指摘ですが、コンパスという学校でも使ったことのあるモノを代名詞として使うと子ども達もイメージしやすいようでトレーニングの精度が上がっていきます。
トレーニング4 クロスからのシュート
次はクロス(センターリング)からオフェンス1人、ディフェンス1人でのシュート練習です。
今回のテーマが「攻守の切替えの早さ」、「ディフェンスの(チャレンジ&カバー)のチャレンジ役の人がしっかりとボールホルダーにプレッシャーを掛けること」なのに、なぜこのタイミングでシュート練習!?と思う方もいるかもしれません。
子ども達にも伝えましたが、形はシュート練習ですが、重要なポイントは「パスの精度」と「中のオフェンスのディフェンスのマークを外す動き(オフザボールの動き)」です。
パスの精度は、パス練習でも再三言っている早くて精度が高いパスの追求です。
センターリングは、ゴールまでの距離もある程度あるので弱いパスでは、オフェンスにうまく繋がりません。
仮に弱いパスであれば中のオフェンスが一瞬マークを外したとしてもボールが来るまでの間に再度マークにあってしまいます。
なのでセンターリングは、「中のオフェンスがワンタッチでゴールを狙えるような早いボールを蹴ること」を意識してトレーニングしてもらいました。
また、中のオフェンスの選手には、「ディフェンスのマークを外す動き」を意識してもらいました。
これは、前回のトレーニングで改めて出てきた課題ですが、ディフェンスのトレーニングをした時にオフェンスの質が著しく低下していました。
ディフェンスのトレーニングと言ってもオフェンス側が「スルーパス」や「ワンツー」、「ドリブル突破」などクオリティーの高いオフェンスをしないとディフェンスの練習になります。
なのでオフェンスには、「前回の2対2のトレーニングのシチュエーションと同じようにボールを持っていない選手がどうやってディフェンスのマークを外すかを考えながらやろう!」と伝えました。
このマークを外す動きも以前から行っているのですが、多くの子ども達は、気持ち的に急いで「前に前に」行きたがります。
小学生あるあるだと思います。
本人は左右に物凄く動いてマークを振っている、逆の動きをすごいしていると思い込んでいますが、側から見れば一目瞭然で直線的な動きにしかなっていません。
私 「今、君が動いた範囲はここからここまでの幅しか動いてないよ!?この幅でマークは外れるかな??」
A君 「笑・・・。いや、外れないと思う」
私 「じゃあ失敗しても良いから前に急ぐんじゃなくて左右にもっと大きく動いてみよう!君がボールを追いかけるんじゃなくて君が動いたポイントにボールを蹴ってもらうイメージでやってみよう!!」
このやりとりも個人的に伝えるのではなく、みんなが共有できるように大きな声で伝えます。
今回の成果は、あまり大きくありませんでしたが、ちょっとずつです。
また次の同じトレーニングをした時にどれくらい成長できてるか楽しみです。
トレーニング5 2対2
さて、今回の最終トレーニングも前回同様2対2の2ゴールのトレーニングです。
テーマは前回から伝えている「攻守の切替えの早さ」、「ディフェンスの(チャレンジ&カバー)のチャレンジ役の人がしっかりとボールホルダーにプレッシャーを掛けること」です。
トレーニング内容に関しては、前回と同じなので少年サッカートレーニング!前の試合で課題が出た攻守の切替え!!を参考にしてみてください。
成果に関しては、攻撃の質を指摘したこともあってディフェンスが一方的に上手くいったということにはならず、前回よりもレベルアップしたトレーニングになったと感じました。
当然、チャレンジ&カバーの原則ではなく2人同時にチャレンジしてしまったとか、ディフェンスの体勢が良く2人で挟んでボールを取ろうとしたらターンされてかわされてしまったとか、追求しなければいけない場面は所々でてきましたが、裏を返せば前回には少なかったスルーパスの意識や良い体勢で攻撃をするという部分が出てきたとも言えます。
良いオフェンスがあって初めて良いディフェンスの練習になる、良いディフェンスがあって良いオフェンスの練習になるというモデルだと思っています。
トレーニング6 ゲーム
本当の最後は、いつも通り今回行ったトレーニングが活かせるかの確認を込めたゲームです。
昨年の秋ごろからディフェンスの「中締め」は、徹底的に伝えていたので、「中締め」にプラスアルファーでディフェンスのチャレンジ&カバーの誰がチャレンジして誰がカバーをしなくてはいけないのかを一部の子どもですが、声を出しながらゲームをしていました。
ゲームで声が出ることは非常に良いことです。
個人的には、子ども達の中には「声を出すタイプ」と「声を出さないタイプ」がいると思いますが、多くの場合は子ども達が「何を声に出さないといけないのかわかっていない」から声が出ないという子がほとんどだと思っています。
では、「何を声に出さないといけないのか!?」を理解させるのは誰の仕事なのか!?
それは当然、私たち指導者の責任だと思っています。
一言で「声を出せ!!」で片付ける指導者もまだまだ多く見受けられますが、それでは子ども達に伝わらないと思います。
ひとつひとつ何を伝えるべきなのか子ども達に「理解」してもらわないと声なんて出るわけがありません。
もちろん子ども達が理解したとしても突然、声を出すものでもありません。
日頃からのトレーニングや試合での積み重ねが重要だと思います。
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また、数日後には試合があります。
今回は、諸事情により私は試合に帯同できませんが、子ども達が以前よりも成長した姿を見せてくれることを楽しみにしています。