「少年サッカーでの適切な練習時間がわからない!」
「長時間練習しても子ども達には問題がないか心配!」
「強いチームってどれくらいの練習時間をとっているんだろう!」
「長時間練習しても子ども達が上手くならない!」
今回は、こんなお悩みを持たれているサッカー経験や指導経験が乏しい新米コーチ向けにお答えしていきます。
本記事の内容は
・少年サッカーでも年代によって違う適切な練習時間
・少年サッカーの練習時間は練習内容や質によって変わる
・長時間練習することによる子ども達へのリスク
・長時間練習して子どもが上手くならないなら練習の仕方が問題な理由
になります
この記事を書いている私は、サッカーのC級ライセンスを所持して、少年サッカーの現場で約9年間ほどの指導実績があり、チームを県大会で優勝させた実績もあります。
少年サッカーでも年代によって違う適切な練習時間
少年サッカーの現場で適切な練習時間ってどれくらいだろう!?と疑問に思われている指導者や父兄の方は少なくありません。
実際、多くのチームで3時間練習や4時間練習、あるいは週6日でサッカーをさせているという声も数多く出てきます。
しかし、実際にサッカーが強いチームや選手のスキルアップに長けているクラブ、サッカー先進国などでは3時間以上などの長時間の練習は実際には行っていません。
ちなみにJFA(日本サッカー協会)が発行する「JFAキッズハンドブック」では、U-8で週1〜2回、1回45分くらい、U-10でも1回60〜90分くらいまでにしましょうと推奨されています。
長時間の練習は
・子ども達の集中力がもたない
・怪我のリスクの上昇
・体調面のリスクの上昇
などに繋がってくるので
「長時間の練習がおすすめです!」とは、少年サッカーの指導者である私の口からは絶対に言えません。
仮にあなたが少年サッカーの指導者で長時間練習を行なっているのであれば、できるだけ早く長時間練習を短時間練習に変えれる努力が必要です。
長時間練習を短時間練習に変えるには、練習の「質」と「強度」を変えていく以外方法はありません。
少年サッカーの練習時間は練習内容や質によって変わる
しかし、実際に長時間練習をしているチームや指導者が全くダメ、すぐに変えないといけないのか!?と問われれば私個人の考えとしては、一概には言えません。
JFAとしてもあくまで推奨なので絶対ではないのです。
なぜ、絶対ではないのかと言うと実際に練習している環境に大きく左右されるからです。
大きく分けて考えると
・子ども達の年齢や精神年齢
・子ども達の練習に取り組む姿勢
・練習の強度
・休憩時間
・指導者のレベル
・天候や気温などの環境面
などの要素が様々に重なってくるからです。
例えば、極端な例ですが、
・指導者が集中した練習をしたいけど、子ども達の集中力が全くなく2時間練習したが子ども達に疲労感が全くない
・3時間練習の中に休憩時間が1時間以上あった
・3時間練習を週5日行なっている
こんな事例があった時にあなたはどう感じるでしょうか!?
JFAが推奨する練習時間のイメージと大きくかけ離れているな!?と感じませんか!?
そうなんです。
重要な事は表面的な練習の「時間」が重要なのではなく、練習の「質」なんです。
この「質」を変えることができるのが、他ならぬ少年サッカー指導者であるあなただけなんです。
仮におすすめは絶対にしませんが、2時間練習をしたが子ども達に疲労感が全くないのであれば3時間練習しても問題はないと個人的には思います。
また、家で子どもが、ぐーたれてばかりでゲームやテレビばかりなのを改善させたいから、親が半強制的にサッカーの自主練をさせているなども個人的には悪いことだとは思いません。
ただし、チームとしての練習の取り組み方や練習の強度は改善しないといけないですよ!とは言いたくなります。
できるだけ短時間で強度の高い、子ども達に達成感があって、疲れたけどまた練習したいな!と思わせれるような練習内容にしないといけません。
少年サッカーの指導者には、そんな子ども達への充実感を与える義務があるんです。
そこはお金を貰って指導しているプロだろうが、お金を貰っていないボランティアだろうが関係ありません。
長時間練習することによる子ども達へのリスク
真剣な練習だろうが、ダラダラとした練習だろうが、長時間の練習には子ども達へのリスクが常につきまといます。
それが
・子ども達の怪我のリスク
・子ども達の体調面のリスク
です。
まず、私達指導者が考えないといけないことは、
「練習をすることは、子ども達を成長させることが目的であって、心身を削ることではない」
ということです。
繰り返しになりますが、真剣にやろうがダラダラやろうが、長時間練習することは子ども達の精神面や身体面において良い部分は何一つもありません。
サッカー先進国のヨーロッパでは、「勝つために休むこと」が定番です。
また、現代のプロサッカー界のトップレベルをいくグアルディオラ監督は、居残り練習は「プラシーボ効果でしかない」と言っています。
*プラシーボ効果 : 薬効成分を含まない偽の薬を薬だと偽って投与された場合、患者の病状が良好に向かってしまうような、心理的な部分によってもたらされる治療効果のこと。
要は「自分はこれだけ長時間練習したんだから誰よりも巧くなったハズ」という自己暗示でしかないという意味です。
それでは意味がないとグアルディオラは伝えています。
その代わりにチーム練習の間は、全力でトレーニングに励まないといけないとも言っています。
最近話題になる野球のピッチャーの肩の消耗についてなどは、典型的な例だと思います。
子ども達の怪我や体調面においてのリスクを避けるためにできるだけ短時間で練習を終わらせれる努力をする必要が指導者には求められます。
極端な話ですが、練習時間が短くなれば、練習の拘束時間も少なくなり、家族の時間も増えたり、友達と遊ぶ時間も増えるので、誰もが喜ぶと思います。
また、サッカー漬けの毎日からでは、子ども達からひらめきや気づきが生まれにくいとも言えます。
サッカーから離れている時間に「あっ、あの場面って、こうすれば良かったかな!?」などの気づきは生まれやすいものです。
長時間練習して子どもが上手くならないなら練習の仕方が問題な理由
練習時間よりも最も重要なことは練習の強度の部分だと思います。
子ども達に適度な疲労感を与えて、達成感や充実感を持たせるということをJFAの推奨する練習時間にできるだけ近づけて行う必要があります。
仮に長時間練習をしても子ども達が巧くならないといったお悩みがあるのであれば、指導者としてのスキル、練習内容などに問題があるのではないかと考えられます。
Jリーグの下部組織なども90分くらいをメドに練習しています。
それでも子ども達はめちゃめちゃ巧くなっていきます。
よく、Jリーグの下部組織に入るような子どもは、もともと運動神経も良くて、誰が練習しても巧くなるから少年団や地元のクラブチームにくる子ども達とはスタートが違うという声もありますが、私自身はそうは思いません。
Jリーグの下部組織の指導者のトップの方とお話をさせてもらう機会も以前にありましたが、練習内容が全く違いました。
結論的に言うと、最短で巧くなるために、試合で活躍できるようになるために練習メニューが考えられています。
そして、多くの少年団や地元のクラブチームなどで指導する指導者は、この事実を理解しようとしません。
なぜなら、自分がしている練習が正しいと信じ切っているからです。
しかし、少年サッカーの指導者は常に学び続けないといけません。
時代が変わり、サッカーが進歩していくにつれて、指導者であるあなたも常にアップデートさせていく必要があります。
正直、私自身も常に学びと反省の連続です。
練習の時間や質、強度など常に改善をしています。
【少年サッカーを上手くするにはコツがある】
指導者のコーチングや話し方次第で子ども達のトレーニングに対する取り組み方は大きく変わります。
なぜなら子ども達もバカではなく、優秀な指導者のトレーニングや話を受けたいと思っているからです。
優れた指導者や話を理解させることに長けている指導者の話は、子ども達は真摯に耳を傾けます。
仮に日頃のサッカー指導で子ども達が思ったような成長をしてくれないのであれば、指導者であるあなたのスキルの問題かもしれません。
ひょっとしたらあなた自身が学ぶことによって指導者としてのレベルが上がり子ども達もスキルアップするかもしれませんね。
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まとめ
人間は完璧ではありません。常に改善の連続です。
「学ぶことをやめたら、教えることをやめなければならない」
日本サッカー界では有名な言葉で、ロジェ・ルメール(元フランス代表監督)の言葉です。
世間的には、学生指導者が悪いとか、少年団の指導者が悪いなどという声もありますが、私は失敗は大いにすればいいと思っています。
子ども達のサッカーでは失敗はオッケーだよ!と伝えているのに大人は失敗してはダメ!では大人が成長していきません。
だから、どんな指導者であっても多く失敗して経験していけば良いと思います。
ただし、改善は絶対に必要なことです。
短時間で強度の高い練習を指導者、選手と一体になって行えるような環境作りができるように、まずは指導者である、あなたの考え方や取り組みを改善させていきましょう!