「サッカーが高学年で伸びる子ってどんな子ですか?」
今回は、こんな疑問を持たれている親御さん向けにお答えしていきます。
この記事を書いている私は、サッカーのC級ライセンスを所持して、少年サッカーの現場で約9年間ほどの指導実績があり、チームを県大会で優勝させた実績もあります。
こんにちはdebuyaです。
我が子は、小学校高学年になっても全然サッカーのスキルが向上してくれないのに、周りの子や他のチームの子は、高学年になったらすごく伸びたな!と感じたりする親御さんっていらっしゃいますよね。
・我が子はサッカーセンスがないんだろうか!?
・一体いつまで待てば我が子が活躍してくれるんだろうか!?
・高学年になって伸びた子と我が子は何が違うんだろうか!?
このような想いを持たれながら不安に感じる親御さんは多いかと思います。
結論から言うと不安な気持ちや焦る気持ちを親御さんが持たれる気持ちは理解できますが、是非とも長い目で子供が納得するまでサッカーをやり続けさせてあげてください。
時間を掛ければ、子供は必ず何かしらの「気付き」があり、何かしら「成長」をしてくれます。
子供のことを想う親御さんであればあるほど、継続的にサッカーを続けさせてあげてください。
今回は、高学年で伸びる子の特徴や伸びる理由について、これまでの経験を踏まえて私なりの考え方をご紹介したいと思います。
高学年で伸びる子は成長が遅い子
小学校高学年になって急激に伸びる子ってどんな子ですか!?という問いに対して一言で答えるのであれば、「成長が遅い子」だと私は考えています。
小学生は、成長の度合いや成長スピードが異なります。
成長が早く、体格がすぐに成長する子、大人の話をしっかりと聞いて自分なりの考えが持てる子、物事に対しての考え方がすぐに理解できる子などは、小学生からサッカーを習い出したとしてもすぐにスキルやテクニックが身に付き、早い段階から試合などで活躍できる子だと言えます。
逆に成長が遅く、体格もすぐに成長しない子、大人の話もしっかりと聞けない子、物事に対する考え方も乏しい子などは、サッカーのスキルやテクニックの習得も遅く、試合でもなかなか活躍してくれません。
要は言い方を変えると、成長が遅い子は、「お子ちゃま」で保育園や幼稚園の子供達と大きくは変わらないというイメージが分かりやすいかと思います。
しかし、親御さんに間違って欲しくないのは、小学生の場合、本人が成長したい、成長したくないに限らず、成長スピードは生まれ持ったもので、それぞれ違うということを理解してもらいたいです。
本人は、大人への階段を登りたいと思っていたとしても、側から見ると「全然努力してないじゃん!」と感じることがあるかと思います。
こういったケースは、親御さんとして成長してもらうための「誘導」をしなければいけないのですが、半分は成長スピードによる問題で、子供本人の責任ではないということを理解しておく必要があります。
子供には、子供なりの考え方や捉え方がありますので、親御さんの意見を押し付けすぎると、子供は反発して親の言うことを聞かなくなってしまいます。
この部分は親御さんは注意が必要です。
低学年の時は、それほど上手くない子が、高学年になって急激に上手くなる子は、体格、考える力などが周りの子達に追いついてきたことが最大の理由だと考えられます。
・体格や運動神経の面で、今までは自分の思い通りに体が動かせなかったが、高学年になって思い通りに動けるようになってきた
・考える力の面で、今までは指導者や親が言っている意味や本質を理解できなかったが、高学年になって理解できるようになってきた
このような子供が、高学年で伸びる子の最大の特徴だと私は考えます。
人間力がないと伸びる可能性はゼロ
近年、サッカー界において「人間力」が非常に重要視されています。
有名なサッカー指導者は、ケーキに例えて、スポンジが人間力、周りのクリームがサッカーのスキルだと表現します。
土台となるスポンジが、ぐちゃぐちゃだと、どれだけその上からクリームを塗っても綺麗なケーキは完成しないと表現します。
この意見は、私自身も同意です。
「人間力」というちょっと小難しい表現に思われるかもしれませんが、簡単に言うと「当たり前のことが当たり前にできる子」が人間力がある子と評価します。
・あいさつをきちんとする
・お世話になった人に感謝をする
・身だしなみをきちんとする
・生活環境の整理整頓をする
・必要な準備は自分で行う
・時間の管理を自分でする
・自分の考えをしっかりと言葉で伝えれる
など、大人である私達であれば、さも当たり前のようなことですが、この当たり前が当たり前にできる子は、サッカーも上手くなっていきます。
逆に、この当たり前ができない子は、どれだけサッカーの練習や試合を繰り返しても上手くなりません。
周りに高学年になって急激に伸びた子や以前から上手い子がいるのであれば、その子達をよく見てみてください。
おそらく、伸び悩んでいる我が子に比べて、人間として当たり前のことがしっかりとできているはずです。
仮に、各家庭の考え方の違いで、やんちゃであったり、仲間をいじめたりする子であってもサッカーが上手い子であったりするケースもあります。
しかし、そういう子であっても、実は宿題や勉強はきちんと家でしていたり、みんなが見ていないところでしっかりとした考えで行動したりが、できていたりします。
高学年になって伸びた子が周りにいるのであれば、是非その親御さんに話を聞いてみてください。
必ず、我が子はそんなことしてないわ!と思うような人間としてしっかりとした部分を持っているはずです。
当たり前ですが、サッカーにおいても小学年代でどれだけ「上手い子」と評価されたとしてもプロの世界や高校年代と比較すれば技術的に足りない部分だらけです。
それと同じように、あくまで小学生であって、大人ではないので、ダメな部分も持ち合わせているのが小学生です。
その至らない部分を長い年月をかけて立派な大人になっていくことが「成長」というものです。
親御さんには、目先の子供の結果や行動に捉われず、長い目で子供の成長を促してみてください。
子供の主体性を重視しましょう
日本では、お父さんお母さんに言われて渋々、宿題をしたり、片付けをしたりする子供がほとんどだと思います。
子供が「やる気」を持って行うのではなく、「やらされている」子が本当に多くいます。
あなたは、どう感じますか!?
親に言われてしか行動できない子と自ら率先して行動できる子、あなたはどちらの子に成長して欲しいですか!?
ほとんどの方は、後者だと思います。
では、具体的にどうするべきか!?
子供に考えさせるべきです。
宿題を全くしない子供であれば、「宿題はしなくても良いんですか!?」と投げてみてください。
机の周りが汚い、整理整頓を全くしない子には、「こんな机の状態で良いんですか!?」と投げてみてください。
宿題をしなさい!片付けなさい!という命令ではなく、子供に考えさせることによって、子供は子供なりに考えます。
「宿題ってなんでしなきゃいけないんだろうね!?」
「なんで机が汚かったらダメなんだろうね!?」
「なんであいさつをしないといけないんだろうね!?」
「サッカーの練習中に集合と言われたら、なんですぐに集まらないといけないんだろうね!?」
など、子供に考えさせてください。
低学年の間は、理解できない子であっても子供の成長と比例して、理解できるようになってきます。
理解ができてくれば、子供は主体的に考えれるようになってきます。
「あっ、机を綺麗にしておかないとお母さんに怒られるからやらないと」
「宿題してないと学校で恥ずかしい想いをするから宿題しておかないと」
「宿題しないとゲームできないからさっさと宿題を片付けてしまおう」
など、動機付けは何でも構いません。
動機よりも子供が自分で判断して、自分で行動することが最も重要です。
自分で判断して、行動の決断をすることは、サッカーにおいても重要なことで、共通する部分です。
命令では、自己判断とは言えません。
時間は、掛かるかもしれませんが、親御さんは怒りを一旦抑えて、一度子供に投げかけてみてください!
サッカーは人間力を磨ける可能性を秘めている
サッカーが上手くなりたいと思ったらサッカー以外の部分を磨いていく必要があります。
サッカーで重要なことは、私達大人の世界、社会に出た後も重要になることばかりだと私は考えています。
サッカーという「ツール」を使って、子供を大人へと成長させることが私達、育成年代のサッカー指導者の使命です。
スポーツの世界において上手いか下手か、順位などは必然的についてきます。
しかし、重要なことはサッカーが上手いか下手かではなく、「努力をすることや成長したいと想う意識」が重要だと私は考えています。
そういった人間力を磨く力が、サッカーにはあると私は考えています。
サッカーが上手いから続ける、サッカーが下手だから続けないではなく、サッカーをすることで子供に
・何を気付いて欲しいのか!?
・何を習得して欲しいのか!?
・どんな子供や大人に成長して欲しいのか!?
などを親御さんには、しっかりとしたビジョンを持ってもらいたいと思います。
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