サッカーのフォーメーションの考え方!チームコンセプトを子どもに伝えよう!!

「サッカーのフォーメーションの考え方って!?」

今回は、こんなお悩みを持たれている少年サッカー指導者なりたての方、少年サッカー指導者の初心者の方向けにサッカーのフォーメーションの考え方を解説していきたいと思います。

今回の記事を読んでもらえればチームのフォーメーションを考える時に考え方の方向性が見えてくると思います。

こんにちは。debuyaです。
サッカーに正解はありません。

しかし、正解に近い考え方、試合で勝ちやすい確率論は実際にはあると思います。
自分が指導するチームが思い通りのサッカーをしている時でも試合に勝てないではいけません。

ましてや思い通りの試合プランにもっていけないでは、もっといけません。
自分の中の試合のプランニングに合うフォーメーションを考えていかないと試合での勝率は上がっていきません。

そこで今回は、私が考えるサッカーをベースにしてフォーメーションの考え方をご紹介していきたいと思います。

現代サッカーのフォーメーションの考え方の主流

サッカー フォーメーション 考え方

サッカーはご存知の通り野球のように攻めの回と守りの回が別れているわけではありません。
そのためフォーメーションを決める時には攻めと守りの両方から考える必要があります。

しかし、サッカーはどの試合でも大量点が取れるようなスポーツではないので、守ることから考える事がセオリーになります。
良いディフェンスをして相手から良い形でボールを奪って攻撃に繋げていくというのがスタンダードになっています。

良い形でボールを奪って攻撃に繋げていくと言いましたが、では「良い形でボールを奪う」とはどういう形でしょうか!?
結論から言うと中盤(MF)でボールを奪う事が理想とされています。

中盤での主導権が試合の主導権に影響する

サッカー フォーメーション 考え方

あえてスター選手がいない前提で話を進めますが、中盤でボールを奪うことによって攻めの時にボールを運ぶ距離が短くする事ができます。
ディフェンスラインまで相手に攻め込まれて、なんとかボールを奪えたとしても自陣ゴール前から相手ゴール前まで運んでいくことは、かなり困難です。

例外としてアトレティコマドリードのように前線に1〜3人だけで相手ゴール前までしかけれるような力のある選手を揃えているのであれば、あえて自陣のゴール前にディフェンスラインを形成して意図的にボールを奪って、素早く前線にボールを預けてカウンターというやり方もありますが、それができるのはあくまで前線に優れた選手がいる時限定と言えます。

少年サッカーの現場では、毎年必ず優れた前線の選手を育て続けるというのは、ほぼ不可能だと言えます。
なので一般的な考え方としては、中盤でボールを奪って良い攻めに繋げていくということが重要視されています。

近年の少年サッカーでもディフェンスラインからのビルドアップの質が高くなってきています。
昔のようにディフェンスラインから適当にロングキックを蹴ってFWが走り込むという成功確率が低いサッカーは少なくなってきています。

ディフェンスラインからビルドアップすることによって、より成功確率が高い攻撃が可能になってきているのが現在の少年サッカー界です。
なので反対チームからすれば、この精度の高いビルドアップを自由にさせないことが重要になります。

ビルドアップを自由にさせないためには、前線からのプレッシャーが重要になります。
FWの選手が相手DFにプレッシャーを上手く掛けてパスコースを限定させた所をMFの選手がボールを奪うというのが理想であり、スタンダードな考え方です。

前線からプレッシャーを掛けつつ、中盤でボールを奪うために2-3-2のフォーメーションを採用するチームは増えてきています。
前線に2人の選手を配置して相手DFのパスコースを限定しつつ、中盤に3人を配置してボールを奪うという攻撃的なフォーメーションと言えます。

ただし、注意しなければいけないのは、中盤を破られた時にFWを2人にしているのでDFの枚数が足りないという状況にもなりやすいのが欠点です。

そのような欠点を補いながら戦いたい時には2-4-1や3-3-1といった少年サッカーでのスタンダードなフォーメーションを採用することになります。

しかし、2-4-1や3-3-1もあくまで数字がスタンダードなだけで、相手のビルドアップが優れていれば1人だけの前線のプレスは無効化されてしまいます。

そのため、MF、DFが連動してある局面は積極的に前線にプレッシャーを掛けに行く、ある局面は戻るなど、ある程度の流動的な要素は必要になります。

この流動的という要素を指導者の指示通りしてもらうのか、子ども達が理解して自分たちで考えれるようになるのかは、指導者の日頃からのトレーニングでの落とし込みが試される部分でフォーメーションどうこうというレベルではありません。

戦術的な要素が重要になるので、ここでは割愛させていただきます。

ここまで例として揚げた2-3-2、2-4-1、3-3-1のいずれも中盤に最低でも3人は選手がいるフォーメーションです。
それだけ中盤の主導権争いが重要だと言うことです。

中盤の主導権がどちらのチームにあるかで試合全体の主導権が変わります。

フォーメーションだけを切り取ると4-2-1、3-1-2-1、2-1-3-1、1-3-1-2など様々なフォーメーションがありますが、戦術の落とし込みはかなり難しいです。

指導者が考えて欲しいのはフォーメーションありきではなく、戦術ありきで考えて欲しいところです。

サッカーのフォーメーションから見る攻め方

サッカー フォーメーション 考え方

ここまで良いディフェンスありきの攻撃に繋げるフォーメーションを解説しました。
サッカーは自分たちのマイボールから相手陣地に攻め込むビルドアップのスタイルも重要になります。

サッカーは大きく分けて2つの局面に分けれます。

・攻めの組み立てが計算できる場面
・攻めの組み立てが計算できない場面

の2つです。

*補足として、一般的なサッカーの局面は「攻め」、「守り」、「攻めから守り」、「守りから攻め」の4つの局面で表されます。

攻めの組み立てが計算できない場面とは、これまで述べてきた相手からボールを奪っての攻めです。
試合中にどこのポジションでボールが奪えれるというのを計算して、奪ったところから計算通りの攻めをしろと言っても、ほぼ不可能ですよね。

攻めの組み立てが計算できる場面は、ゴールキック、スローインフリーキックなど、止まった局面から選手の配置などが計算できて、想定どおりに攻めやすい局面を指します。

ディフェンスラインからのビルドアップがまさにです。
このビルドアップから相手ゴール前まで攻める道筋を計算しながらフォーメーションを考える必要があります。

シンプルな考えとしては、チームのストロングをどこに置くかです。
分かりやすく言うと高確率で相手にボールが取られない場所をどこに置くかです。

日本代表の大迫選手がFWとして評価が高いのは、ボールを収めてくれるところにあります。
彼がボールをうまくキープしてくれている間に周りの選手は「動く時間」を作れます。

大迫選手が高確率でキープしてくれることによって周りの選手が連動して効果的な攻めの動きができるのです。

遠藤保仁選手や柴崎岳選手が評価されているのは、ボールを運ぶ中継点として優れている点です。
彼らがボールを持った時には相手にボールを失わず、周りが動く時間を作ってくれます。

また、彼らが攻撃の良いイメージを持っていて、効果的な縦パスや意味が無いように見えて意味がある横パスなどを上手く使い効果的な攻めを展開してくれます。

こういった攻めの「起点」をどこに置くのかは、ひとつ重要な部分です。
FWに持っていくのか、中盤の真ん中か、サイドハーフが起点になって欲しいのか、これはフォーメーションと同時に預かっている子ども達の個性やレベルと相談しながら決める必要性があると思います。

DF2人が計算が立つ優れた選手がいるのであれば攻めの枚数は増やせるでしょうし、物足りないのであれば補うために中盤やディフェンスの枚数を増やさないといけないかもしれません。

フォーメーションを決める前に自陣からのゴールキックの時にDFにパスが出て、そこからどのように攻撃を組み立てていくのかを考えてみることをおすすめします。

例えばDFの選手はパス回しが下手なんだけど、FWに高確率でボールキープできる選手がいるからDFにFW目掛けてロングパスをさせてFWの選手にキープさせるというサッカーも私的には「アリ」だと思います。

必ずしもビルドアップしなければいけないという制約はありませんし、ロングボールを蹴らせる事が子ども達にとってもチームにとっても良い事なのであればオッケーだと思います。

ただし、長い目で見るのであればディフェンスラインからビルドアップさせることは、失敗してもチャレンジの一貫だと思うので子ども達の成長を考えるのであればビルドアップでインサイドパスの精度を上げる、トラップの精度を上げるなどは重要だと思います。

サッカーのフォーメーションを決める時の利き足

サッカー フォーメーション 考え方

サッカーのフォーメーションやポジションを決める時に左利きの選手をどうしよう!?という場合もあります。
一昔前は右サイドに右利き、左サイドに左利きが主流でした。

これは、一昔前はセンターリングが攻撃の主流だったためです。
右サイドに右利きの選手を配置すればセンターリングが容易に上げれるという考え方です。

現代は右サイドにメッシやロッペンといった左利きのアタッカーを配置することが多いです。
理由は、センターリングを求めているのではなく右サイドから中への進入→シュートを期待しているためです。

このようにフォーメーションに対して選手の配置を決めるのではなく、どのような戦い方をしたいのか、どのように攻めて欲しいのかによって左利きの選手を配置してみてください。

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サッカーのフォーメーションはあくまで最初の基本ベースにしかならない

ここまで書かせて頂いた事が理解頂けたのであれば、フォーメーションが絶対にならないという事を分かってもらえたと思います。
サッカーのフォーメーションはあくまで最初の基本ベースであって絶対的なものではありません。

だから3-3-1のフォーメーションが劣勢になれば場面によっては4-2-1になることもあるでしょう。
2-4-1だったフォーメーションが劣勢になって3-3-1になることもあるでしょう。

フォーメーションありきで試合をし続けても良い結果は生まれません。
どう戦いたいのか!?どう攻めたいのか!?どう守りたいのか!?などの戦術的要素がベースにあって初めてフォーメーションの役割があります。

フォーメーションありきで子ども達にできないことを押し付けてもできないものはできないのです。
今いる子ども達に合った戦い方を考えるのも指導者としての役割です。

フォーメーションやポジションによる動き方のマニュアルはありません。
右サイドの選手が必ず右サイドにいなければいけないという決まりもありません。

右サイドの選手は上下運動しかしませんでは、チームは強くなりません。
ディフェンスの選手がディフェンスだけ頑張れば良いものでもありません。

指導者初心者の方は、フォーメーションの前に子ども達のレベルを考えながら是非あなたが理想とするサッカーを考えてみてください。

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