サッカーの「個の力」ってなんだ!?育成年代で鍛えたい6つの要素!

「よくサッカーの世界、特に育成年代で「個の力」を育むって言ってるけど実際に個の力ってなんだ!?」

今回は、こんな疑問を持たれている少年サッカーの指導者をされている方向けにお話ししたいと思います。

こんにちは。debuyaです。
私は現在地元の少年団で小学生を対象にサッカーを教えています。

指導者になってすぐの時は、自分で振り返ってもあまり良くない指導をしていたなと思いますが、指導者ライセンスを取得してからは自分で言うのもなんですが、周りからの評価が変わりました。

「教えるのが上手くなった」という声を多くもらえるようになりました。
ライセンス制度が良い悪いはとりあえず置いておいて、JFAが主催するライセンス講習は個人的には有益な情報を学べる場だと感じています。

そんなライセンス講習を学んだ私が考える、JFAが推し進める「個の力」って何!?についてお答えしていこうと思います。

サッカーの個の力を構成する6つの要素

サッカー 個の力

「個の力」という言葉はメディアでも取り上げられ、育成年代でもひとつの指針となっていて多くの指導者が耳にしている言葉です。
しかし現実は、どちらかというと言葉だけが一人歩きしていて、いろんな指導者に「個の力」ってなんですか!?と問うと全然違う答えが返ってきそうです。

当然、「個の力」という言葉は広い意味合いを持たせていると思いますし、指導者それぞれの解釈が違っても良いと思います。
私の見解も当然、他の指導者と違うと思います。

ただ、私自身が考える「個の力」って何!?という疑問には、6つの要素があると考えています。
その6つの要素が

・ドリブル
・パス&コントロール
・シュート
・ディフェンス(ボールを奪う)
・ポゼッション(サポート、マークを外す)
・観る

の6つだと考えています。
この6つは見た人がC級ライセンスを持っている人であれば、すぐに気づくと思いますが、C級ライセンスで出てくるテーマそのままです。

しかし私は、この6つをバランス良く鍛えて苦手な要素を少なくし、何かで武器を持った選手が「個の力」に優れている選手だと解釈しています。
チームによってはドリブルに特化したチームもあります。

じゃあ、ドリブルが他よりも優れていればディフェンスはできなくても良いの!?という疑問が出た時にどんな答えが返ってくるのでしょうか!?
ディフェンスは中学以上になってから教えれば良いのでしょうか!?

では、全てを平均的に行う選手とドリブルだけ秀でた選手では、どちらが優れているのでしょうか!?
言い方を変えると、どちらの選手が試合に出してもらえる確率が高いのでしょうか!?

私の考えは、平均的な選手の方が試合に出る確率は高いと思います。
なぜなら、指導者が誰であっても良い意味で「使いやすい選手」だからです。

何かに特化していてすごい才能なんだけど、大きな欠点を持っているでは、試合に出る機会は減少してしまいます。
よく日本人が海外に出て徐々に出場機会を減らすというケースがありますよね!?

これは、単純に監督にとって使いにくいからです。
オフェンス力は優れているが、ディフェンスに関しては監督が求めている水準に達していないというのは典型的な例です。

では、現在でも活躍している選手は!?
長谷部誠選手、吉田麻也選手、久保建英選手などは苦手な要素が少ない選手です。

吉田麻也選手もディフェンス力が売りですが、セットプレーやパワープレーになればオフェンスのターゲットになれます。
長谷部誠選手は、みなさんもご存知なマルチプレイヤーです。

久保建英選手はオフェンス力に目が行きがちですが、Jリーグに所属していた当時、出場機会が与えられず監督が求めているものがディフェンス力だと分かり、ディフェンス力を自ら鍛えていったそうです。

オフェンスが優れている選手の方が華やかで「良い選手」と評価されがちですが、現実にはマルチな選手の方が出場機会を多く得られます。
ディフェンスをそれほどしないメッシ、ロナウド、サラーなどは別格です。

ディフェンスをしない以上に点を取ることが群を抜いて優れています。
日本人でもそのような選手を生み出せば良いのですが、まだそこまでの力を持った選手は出てきていません。
だったらまずは平均的な選手を生み出すことを目指すべきです。

少し話は逸れましたが、では「個の力」を作る6つの要素をどうやって鍛えていくべきなのか!?
解説していきたいと思います。

6つの要素を鍛えるためにどのような指導をしたら良いか!?

サッカー 個の力

・ドリブル
・パス&コントロール
・シュート
・ディフェンス(ボールを奪う)
・ポゼッション(サポート、マークを外す)
・観る

以上の6つの要素をどこまで鍛えるかは、指導者と子ども達のスキルによって変わってきますが、トレーニングしていく中で注意して欲しいポイントが4つあります。

それが

・良いプレーが出たら全員が聞こえるくらい大きな声で褒める
・選手がトレーニングしている最中に選手に問いかける
・どうしても改善したいポイントがあったらトレーニングを止めて指摘する
・指摘する際も個人に向けてではなく全員に聞こえるように大きな声で話す

以上になります。
では、順番に解説していきます。

良いプレーが出たら全員が聞こえるくらい大きな声で褒める

まず、最も重要な要素として選手を褒めましょう!
本人が恥ずかしがり屋でも構いません。
良いプレーが出たらとにかく全員に聞こえるくらい大きな声で褒めましょう!!

理由は2つあります。

・褒められた子がもっと頑張るため
・周りの子が対抗意識を持って自分も頑張ろうと思わせるため

子育てと同じで褒められることを心の底から嫌がる子はひとりもいません。
誰だって褒められたら嬉しいものです。

大人だって褒められたら嬉しいですよね!?
嬉しいからもっと頑張っちゃいますよね!?
子どもも同じです。

しかし、褒め方もひとつだけ注意が必要です。
必ず、テーマに沿った部分を褒めてください。

今日はディフェンスでボールを奪うというテーマだとして選手がボールを奪えた時には褒めるべきですが、例えばワンツーがきれいに決まって点が入った。
「ナイスワンツー!」とか褒めたくなりがちですが、テーマがボールを奪うなのですから、そこはワンツーを褒めるのではなく、ボールが奪えなかったディフェンスを指摘するべきです。

指導者が考えているテーマに一貫性がないと子ども達は理解できなくなってしまいます。

選手がトレーニングしている最中に選手に問いかける

トレーニング中に選手に問いかける理由は

・テーマを明確にし子ども達に忘れさせないため
・指導者がしっかりと「見ているぞ」と理解させるため

などが挙げられます。

トレーニング前に「こういうトレーニングをします」、「こういう部分がテーマです」と子ども達に伝えた事をトレーニング最中に忘れがちな事を改めて問いかけて行く事でテーマに対する意識を明確にします。

「誰が行くんだった!?」
「今サボらないよ!しっかり詰めて!!」

など、この問いかけも子ども達全員に伝わるように大きな声で伝えましょう。
子ども達全員が聞こえる問いかけをすることによって全員の共通認識にも繋がります。

どうしても改善したいポイントがあったらトレーニングを止めて指摘する

指導者がどうしても「ここはこだわって欲しい」とか「ここは重要」と思う場面が出てきたら一度トレーニングを止めましょう。
ストップを掛けてダメだった部分を再現させて、どのようにした方が良かったのかを子ども達に明確に提示してあげましょう。

例えば2対2のディフェンスの原則であるチャレンジ&カバーを習得して欲しいけど、ディフェンスが2人共チャレンジに行ってしまいスルーパスを通されてしまったという場面があったとします。

そこですかさずストップをかけて細かく修正していきます。

「なんで突破されちゃったのかな!?」

「2人共チャレンジに行っちゃったのはどうしたら修正できるかな!?」

など子ども達に質問して考えさせながら少しずつ修正していきましょう。

指摘する際も個人に向けてではなく全員に聞こえるように大きな声で話す

どんな場面でも共通ですが、指導者は全員に聞こえるように大きな声で問いかけることがすごく重要です。

・全員の共通認識にさせるため
・一人だけ狙い撃ちにしないため

特に一人だけを集中的に責めるような問いかけは、その子のやる気を削ぎますし、思ったような成長をしてくれません。
全員に伝える事で「あっ、自分も同じ失敗してたな!」と言葉に表さなくても子ども達はそれぞれに考えています。

子ども達の自主性を尊重しながら、うまく自分が思ったような成長がされるように誘導していきましょう。

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*上記リンクは外部リンクです。

まとめ

個の力という表現は広い意味を持っていますが、各指導者の理解の仕方、誘導の仕方によって子ども達は良い意味でいかようにも成長してくれます。
子ども達の苦手にするプレーをできるだけ少なくし、マルチなプレイヤーとして育てながら何を武器にしていくのか!?を考えながら指導していけば必ず子ども達は成長してくれます。

指導者のスキル次第で子ども達の成長の可能性は無限に広がっていきますので共に指導者として成長していきましょう!

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