「キック力がない低学年の子にどうしたらキック力を身に付けさせれるのだろう!?」
今回は、こんなお悩みを持たれているサッカー経験や指導経験が乏しい新米コーチ向けにお答えしていきます。
この記事を書いている私は、サッカーのC級ライセンスを所持して、少年サッカーの現場で約9年間ほどの指導実績があり、チームを県大会で優勝させた実績もあります。
こんにちはdebuyaです。
サッカーをやり始めた低学年の子に強いキックや遠くに飛ばすキックを教えるのって難しいですよね!?
正直、インステップキックを簡単に習得して低学年なのに強く蹴れる子もいますし、逆に高学年になってもいつまで経ってもインステップキックで強く蹴れない子もいます。
なぜ、蹴れる子は蹴れて、蹴れない子は蹴れないのか!?
一言で言ってしまえば、運動神経の良い悪いに比例していると思います。
運動神経が良い子 = 思い通りに身体を使える子
運動神経が悪い子 = 思い通りに身体を使えない子
運動神経が良く思い通りに身体を使える子は、早い段階で「強く蹴る」感覚を理解できると思います。
逆に運動神経が悪く思い通りに身体を使えない子は、「強く蹴る」という感覚をなかなか理解できないと思います。
例えば、子どもに多いお悩みで、インステップキックを蹴ろうとした時に地面を蹴ってしまうのが怖くて上手く蹴れないという子も割と多くいます。
地面を蹴ってしまうという事は、地面を蹴らないスレスレの位置を確実に足を振る事ができないとも言えます。
低学年の子は、特に身体の発達が未熟なので難しいのではないでしょうか!?
今回は、低学年の子向けにどのようにインステップキックを教えれば良いのか私が教えている教え方を紹介していきたいと思います。
低学年の子にキック力で求める事
まず、頭の中を整理しておかないといけないのは、インステップキックでの「キック力」とは、2つの事が考えられると思います。
それが、
・遠くにボールを蹴る力
・強いボールを蹴る力
の2つになると思います。
まず、低学年の子が遠くにボールを蹴るコツはあるかと問われれば、私個人としての結論は、無いと思います。
なぜなら、低学年の子は
・身体が小さい
・パワーがない
・上手く蹴るイメージがない
・蹴り方がへた
など、問題が多いからです。
遠くにボールを蹴ろうと思った時には、最低限のパワーが必要になります。
パワーが小さい低学年の子が遠くにボールを蹴ろうとする事自体が無理だと考えます。
そのため、私自身は低学年の子には、ボールを遠くに蹴る事を求めません。
反対にインステップキックで強いボールを蹴る事は、低学年の子でも可能だと私自信は考えています。
例えば目の前にあるゴールに向かって力一杯ボールを蹴ってみて!?と言うと、ほとんどの子が、その子なりに強いボールを蹴ります。
なので私が低学年の子にインステップキックを教える時は、まずは強いボールを蹴れるように練習してもらいます。
強いボールを蹴る事ができる延長線上に遠くにボールを蹴る事ができるというイメージで練習してもらっています。
低学年の子にインステップキックを教える時には、まずは「強く蹴ること」と「正確性」を向上できるように繰り返し練習しましょう。
低学年の子にキック力を身に付けさせる方法
ボールを強く蹴るための最低条件は、ボールの中心にインステップキックを当てる事です。
ボールの中心をしっかりとミートする事ができれば、子どもの持っているパワーに比例して強いボールを蹴る事が可能になります。
強いボールを蹴るためには、パワーが必要と思われがちですが、一概にそうだとは言えません。
もちろんパワーがあるに越した事はありませんが、パワーがそれほどない低学年の子でも強いボールを蹴る事は可能です。
まず、私が大切にしている事は、強く蹴るという「感覚」を子ども達に理解してもらう事に重点をおいています。
練習方法はいろいろあります。
・GKのパントキックのように手にボールを持った状態からインステップキックで蹴ってもらう
・指導者が転がしたボールをインステップキックで蹴ってもらう
・地面に山を作って、山の上にボールをセットしてインステップキックで蹴ってもらう
などが挙げられます。
これらの練習で、私個人として大切にしている事は
・インステップ部分にしっかりと足が当たっている事(ボールが足にしっかりとミートしている感覚)
・しっかりとミートすると低い音(ぺチッではなく、ドスンという音)がするという事
・子ども自身がミートできたという感覚を持つ事
などです。
特に、子ども自身がミートできたという感覚を持つ事は、子どもにとってのひとつの成功体験になります。
成功できた、うれしい、もう一回チャレンジしよう、という意識を子どもに持たせる事は非常に大切だと私は考えています。
インステップキックで強いボールを蹴る、ボールを遠くに飛ばす、ためのコツは!?と問われれば
・軸足をしっかりさせる
・蹴る時の足首を固定させる
・体全体を使って蹴る
・ブレーキを掛けない
・斜めに助走をつける
など、大量に出てきます。
YouTubeで検索してもらっても大量の動画があり、それぞれにコツを伝えています。
しかし、低学年の子に全てを理解してもらって実行してもらう事は、私はほぼ不可能に近いと考えています。
そのため、私は、まず最初にひとつだけ意識してインステップキックを蹴るように教えています。
それが、「ボールとインステップが接地している時間をできる限り長くする」という事です。
強いボールを蹴れない子にありがちな失敗例が
・足を斜めに振ってボールをしっかりとミートできていない
・ボールにちょこんとしか触れていない
などです。
私の感覚では「ボールを蹴る」という表現をしますが、「ボールを押し出す」という表現の方が正しいと考えています。
例えば、足の代わりに手でボールを叩くとしましょう。
足でボールを蹴るように、手でボールを叩いた時に手とボールの設置時間が短ければボールは強く転がっていきません。
逆に手で後ろから押し出すようにボールを叩くとボールは強く転がっていきます。
この事と同じでボールに対して後ろから押し出す感覚で蹴ると強いボールになりやすくなります。
蹴る足がボールに少ししか触れていなかったり、蹴りたい方向の一直線上ではない部分でボールを蹴っても強いボールは飛んでいきません。
なので、まずは足でボールを押し出しているという感覚を掴んでもらっています。
そこから、子ども達の蹴っている姿を観て、指摘した方が良い部分があれば指摘してあげます。
「蹴る時に足首は固定した方が良いよ!」
「体全体を使って蹴るようにしよう!」
など、伝えてみてください。
ご理解頂けているかわかりませんが、子ども達に強いボールを蹴ってもらうためには、指導者自身が強いボールを蹴る技術をマスターしていないといけません。
技術を理解してマスターしていないとお手本も見せれませんし、言葉で伝えることもできません。
ご自身の伝え方に不安があるのであれば、まずは子どもに内緒でコソ練をした方が良いかもしれませんね。
まとめ
インステップキックは、ボールを遠くに飛ばしたい時やシュートを打つ場面で使うキックです。
サッカーの試合の中では使うことが多いキックと言えます。
運動神経が良い子であれば、自分で感覚を理解していき、私たちの知らない所で勝手に蹴れるようになっていきます。
なので指導者から特別何かを伝える必要性はないと考えます。
逆に運動神経が劣る子であっても強いボールを蹴れるようにしてあげるのが、私たち育成年代の指導者の役割です。
サッカーが上手い子を上手くさせるのではなく、下手な子を上手くさせる事が私たちの役割です。
インステップキックを低学年の子ども達に教える事は、正直難しい事です。
しかし、諦めずにチャレンジし続けてみてください。
きっと子どもは、インステップキックで強いボールを蹴れるようになるはずです。
【キックに必要な運動神経を上げる近道は、ボールを蹴る事とは限りません】
多くの人は、キック力を上げるためにボールを蹴る事にフォーカスしがちです。
しかし、キック力の源になる基礎的な運動神経は、ボールを蹴る事だけで上がる事はありません。
ボールを蹴る事と同時に運動能力を高める様々な運動や練習をする必要があるかと思います。
どれだけキックの練習をしても上達の兆しが見えないのであれば、他の練習をして運動能力を高める事がキック力を高める近道かもしれません。
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