「選手が練習ではできているのに試合になるとできなくなる」
今回は、こんなお悩みを持たれているサッカー経験や指導経験が乏しい新米コーチ向けにお答えしていきます。
この記事を書いている私は、サッカーのC級ライセンスを所持して、少年サッカーの現場で約9年間ほどの指導実績があり、チームを県大会で優勝させた実績もあります。
こんにちはdebuyaです。
練習では、他の子よりも目立っていたり、活躍したりしているのに、試合になると突然輝かなくなる子っていますよね!?
よく大人の人は、試合になると緊張したり、萎縮したりなど、メンタル的な要素に問題を定義しがちですが、私自身はそうは思いません。
確かにあがり症な子や緊張しやすい子は実際にいますし、100%否定するつもりはありません。
しかし、メンタル的な問題以前にサッカーの技術的な部分や理解の部分に問題があると私自身は考えています。
よく考えてみてください。
緊張する場面って
・相手を格上に感じる
・大きな大会で観衆が多く雰囲気に呑まれる
などが考えられませんでしょうか!?
ちょっとオーバーな例えになりますが、サッカー経験者の高校生がサッカー経験者の小学生相手に緊張する事ってあるでしょうか!?
ちょっと考え難いですよね!?
では、これってなぜなんでしょうか!?
私個人の見解としては、「高校生の方が技術的にも体格的にも優れていて小学生相手に負ける要素が無い」と考えるからではないかと考えます。
トップレベルの試合やプロの試合などは、一旦置いといて、通常の少年サッカーの試合でサッカーのスキルや理解力が高ければ、それほど緊張することはないのではないかと考えます。
「ミスしたらどうしよう!?」、「負けたくないな!」などというマイナス要素の思考は、選手自身のスキルや理解力の低さからくるものではないかと私は考えます。
そのため、逆の言い方をすれば、指導者が子ども達にしっかりとスキルを身に付けさせたり、理解させたりすれば、子どものメンタル的な問題は大きく軽減できると考えています。
少年サッカーの現場を預かっている私が最も問題として考えていることは、試合に繋がる練習をしておらず、練習のための練習を繰り返す指導者が割と多いことに問題を感じます。
試合のための練習をしていないわけですから、想定していない場面やプレーが試合で多く出てきて当然ですよね!?
選手が想定できていないのですから試合の中で突発的に正しいプレーをしろと言われても無理です。
練習は試合で成功させるために行うもの
少年サッカーの練習やウォーミングアップの現場でよく目にするのは、昭和や平成の時代からあるような基礎的な練習を繰り返す練習です。
例えば
・2人1組での対面のインサイドパス
・ドリルのような考える必要がないパス練習
・指導者が転がしたボールをゴールに蹴り込むシュート練習
など
頭をあまり使わず、子ども達が淡々とこなす練習を多くの指導者がしているなと感じます。
ドリルのような練習を全て否定するつもりはありません。
ドリルのような練習は、反復練習と同じで苦手の克服などのテクニックに特化した練習と言えるので、正確性を求める上では重要な練習です。
しかし、テクニックは、あくまで「狙った所にボールを蹴る技術を上げる」ことです。
試合で重要なのは「スキル」です。
スキルとは「状況を判断して最善のところにパスを出せる技術」です。
日本人は、「テクニック」と「スキル」を同様に考えがちですが、この2つは全く別物です。
選手が試合の中で、できるようにするには「テクニック」よりも「スキル」を鍛えなければいけません。
この部分を少年サッカーの指導者は間違えてはいけません。
では、選手が試合でできるようになるために、指導者は具体的に何に気をつけないといけないのでしょうか!?
指導者が練習や試合でしなければいけない3つのこと
選手が試合でできるようになるために、少年サッカーの指導者がしなければいけないことは
・練習で重要なテーマを理解させる
・ミスしてもいい環境を作ってあげる
・成功体験を上手く作れるような工夫をしてあげる
の3つが挙げられます。
順番に解説したいと思います。
練習で重要なテーマを理解させる
指導者が実際の試合の中で選手にどのようなプレーをして欲しいのか!?を示すことは非常に重要な部分です。
試合の中で選手にこんなことを意識してプレーして欲しい、こういうプレーが巧くなって欲しいと示さなければ、選手は試合の中で何をすれば良いのかわからなくなります。
基本的な知識や経験が乏しい小学年代であれば、特に指導者が道標を示してあげないといけません。
例えば、次に行われる試合の中で「攻守の切り替えを早くして欲しい」と指導者が考えているのであれば、試合前の練習の段階で「攻守の切り替えを早くする」というテーマを基に練習しなければいけないと思います。
練習の中で、より具体的に
・どうやったら攻守の切り替えが早くできるのか!?
・攻守の切り替えでどのような部分を注意しなければいけないのか!?
・どういう場面で、どのようなプレーをしなければいけないのか!?
など
指導者は、選手に教えて伝えていかなければいけないと思います。
そこまで教えれるレベルを持っていませんという指導者もいらっしゃるかもしれませんが、それを選手に教えれるようになれるために指導者は日々学び、日々成長していかなければいけません。
選手が試合の中で練習のように上手くできないという問題は指導者の伝え方に問題があると言って良いでしょう。
ミスしても良い環境を作ってあげる
子どもがサッカーを嫌いになったり、やる気を失ったりする場合のほとんどが、ミスをした時に指導者から言われる怒鳴り声や説教です。
仮に指導者から怒られて、やる気を失わなかったとしても多くの場合は、「自信」を失っています。
自身がない子は、積極的にプレーしようと思いません。
その結果、
・ボールに関与しようとしない
・相手のボールを取りに行こうとしない
・ボールを持っていない時に何もしようとしない
・考えようとしない
などの弊害が生まれてきます。
よく考えてみてください。
大人である私たちでも褒められれば嬉しくなりますし、怒られれば悲しくなるはずです。
サッカーに限らず、チャレンジをしなければ成長は絶対にありえません。
失敗がなければ成長しません。
だからこそ、指導者が失敗しても大丈夫という環境を作り出して、選手に積極的にチャレンジさせれる環境を作ってあげないといけません。
指導者が怒っていなかったとしても、子どもによってはチャレンジをしたがらない子も実際います。
そんな子には、チャレンジすることの重要性、ミスすることの重要性、言い訳からは何も生み出されない、ということを理解させなければいけません。
子ども達に新たなチャレンジをガンガンできる環境を指導者が作り上げてください。
成功体験を上手く作れるような工夫をしてあげる
これも当然ですが、どれだけミスをしても良い環境を指導者が作り上げたところで、選手自身が「成功した!」と感じれる「成功体験」が無いと自信は深まりません。
大人の私たちは気付き難いかもしれませんが、人間は成果や結果などが具体的に出た時にやる気が出てきます。
多くの子どもは、勉強が好きだから良い結果を出すのではなく、良い結果を出すことによって、更に勉強しようという意欲に繋がっています。(少数派として元から勉強が好きという子もいます。)
サッカーも同様です。
サッカーが好きだから良い結果が生まれるのではなく、サッカーで1人抜けた、点が取れたなどの成功体験があるからこそ、更に上手くなりたいという意欲を持って練習に取り組んでくれます。
サッカーは、勉強とは違い、秒単位で状況が変化していくので指導者も全員を指摘や注意することは、ほぼ不可能です。
そのため、上手い子は当たり前に成功体験を積み上げていきますが、下手な子には、注意や指摘などはする事はあったとしても指導者が下手な子にうまく成功体験を経験させてあげるという事を忘れがちになります。
そうなると上手い子と下手な子の差は広がる一方です。
指導者が練習や試合などを通して、子ども達に小さくても良いので成功体験を積み上げてあげてください。
まとめ
子どもが独自にスキルアップする事は、ほぼ不可能です。
逆を言えば、子どもが独自にスキルアップできるのであれば指導者は必要ありません。
子ども達をスキルアップさせれるか!?させれないか!?は指導者の力にかかっています。
だからこそ、指導者がスキルアップしないと選手はスキルアップしません。
試合になるとできないことを選手の責任に指導者はしがちですが、実際は指導者に責任があると私は考えます。
是非一度、これまでのご自身の指導方法を振り返ってみてください。
きっと選手をもっと試合で輝かせる方法があるはずですよ!!
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