「子供にインサイドキックを教えたいんだけど教え方がわからない!」
今回は、こんなお悩みを持たれている親御さん向けに答えていきたいと思います。
この記事を書いている私は、サッカーのC級ライセンスを所持して、少年サッカーの現場で約9年間ほどの指導実績があり、チームを県大会で優勝させた実績もあります。
こんにちはdebuyaです。
親御さんの中には、我が子がインサイドキックが下手くそで、上手くなって欲しいが故に、自分でインサイドキックを教えたいと思われている方は多いかと思います。
各家庭の事情や子供の環境の違いなどがありますので、親御さんがサッカーを教えること、インサイドキックを教えることが良いことなのか、悪いことなのかは特に私は問いません。
子供がサッカーが好きと言いながらも下手なのに自分から率先して練習しようとせず、親が引っ張り出さないと練習しないという子もいらっしゃるでしょうし、自ら率先して練習を行うような子もいるでしょう。
なので基本的には、子供がどうあるべきなのか!?親としてどうあるべきなのか!?の正解はないと私は考えているので、そこは一旦話題を置いておきます。
ただし、私が少年サッカーの指導者として現場に立ち続けている中で間違いなく言えることは、上手くなる子は私が細かく指導しなくても勝手に上手くなっていくということです。
勝手に上手くなっていく子に共通する部分は、ほとんどの子が自分から率先して練習していたり、自分なりに考えて行動しているという部分です。
つまり、誰かにやらされる100回の練習よりもやる気の1回の練習が効果的という具体例だと考えています。
なので、子供が親や指導者にやらされている間は、なかなか上手くなっていきませんし、自発的にサッカーに取り組みだすと勝手に上手くなっていくという事を理解した上で、親御さんには子供との付き合い方、練習のさせ方を考えて行動して頂きたいと思います。
子供にインサイドキックを教える時の5つのポイント
まず、インサイドキックを教える時のポイントを伝える前に、私自身がサッカーを教えている中で痛感するのは、教える側が上手くないと子供に対して説得力がないという部分です。
例えば、インサイドキックの時にボールが縦回転して地面を滑るように転がっていくボールを蹴ろうと伝えたとしても子供達は言葉だけでは、頭の中でイメージできません。
そのため、Jリーグなどのサッカー観戦や実際のデモなどを見て頭の中でイメージしてもらうのですが、デモをする指導者や大人が上手くデモできないと子供達は良いイメージを思い浮かべることができません。
私自身が縦回転のボールを蹴ろうと言って、縦回転のボールが蹴れなければ、子供達は言葉では言わなかったとしても「なんだこの下手くそな指導者は!?」と感じてしまいます。
良い意味で子供達に舐められない、なるほど!と納得させるためには、教える側の必要最低限のスキルが必要であるということは前もって伝えさせてください。
この部分を最低限、理解してもらった上でインサイドキックを教える時のポイントは、私の中では5つあります。
それが
・助走は長く取らない
・片足立ちでバランスを崩さない
・膝下の振りを意識させる
・ボールの回転を意識させる
・当てるポイントは人それぞれ違う
以上の5つになります。
順番に詳しく紹介していきます。
助走は長く取らない
助走を長く取らないという部分は、インサイドキックに限らず、インステップキック、アウトサイドキックなど、全てのキックに共通する部分です。
なぜ、助走を長く取らないことがインサイドキックの上手さに繋がるのかというと「バランスを崩さない」からです。
サッカーの全てのキックに共通することですが、体のバランスを崩さないということは非常に重要な部分です。
もっと言うのであればキックの時にパワーはそれほど必要になりません。
パワーよりも重心のバランスやボールをインパクトするポイントなどの方が重要になります。
インサイドキックが下手な子に多いのは、
・強いボールを蹴ろうと思って無駄に長い助走から蹴ろうとする
・蹴った時に上体が斜めに傾いたりする
・足を振り回して蹴ろうとする
などの特徴があったりします。
インサイドキックは、助走を1歩程度でバランスを崩さずにボールを押し出すように蹴れば、本来ボールは勝手に真っ直ぐ転がってくれます。
弱いボールしか蹴れない子供は、助走を伸ばすのではなく、体のバランスを崩さないことや足首を固定させることの方が重要になります。
子供にインサイドキックを正しく教えるために助走は長く取らないように伝えましょう。
片足立ちでバランスを崩さない
インサイドキックが下手な子の特徴にバランス感覚が悪いという部分もあります。
サッカーでボールを蹴るということは、常に片足立ちに近い状態でプレーするということが言えます。
そのため、片足立ちをして長くバランスを崩さない、片足立ちが苦にならないというバランス感覚が必要最低限になります。
小学校低学年の子がインサイドキックが下手で高学年になると上手くなるというのは、練習量もありますが、ひとつは片足立ちが苦にならないような体の発達が要因とも言えます。
そのため、インサイドキックを上手くさせるために、ボールが無い状態でインサイドキックのスイングをしてもらうことも効果的です。
スイングした時にバランスが崩れてしまうようであれば、ボールを実際に蹴る時でも良いパスにならないと考えてもらって結構です。
良いパス、良いインサイドキックを蹴らせたいと思ったら片足立ちしてバランスを崩さないような体幹を最低限鍛えてください。
膝下の振りを意識させる
サッカー経験者であれば理解してもらえる部分かと思いますが、膝下からの足の振りの強弱でボールの強弱を蹴り分けることが可能になります。
インサイドキックが下手な子ほど、運動神経が乏しく、足全体や体全体で力一杯力を入れて蹴ろうとします。
特に膝下で蹴るという感覚は無く、右足なら右足全体を振ってボールを蹴ろうとしがちです。
実際にボールを蹴ってもらうと分かると思うのですが、足全体で蹴るよりも膝下の振りを意識して蹴った方が、蹴りやすく、良いボールがいきやすくなります。
この部分は、子供に上手く伝えるために、まずは親御さんであるご自身が、こっそりと練習してみて実際に蹴りやすいか!?良いボールが蹴れるか!?を確かめてみてください。
ボールの回転を意識させる
正解から言うと、インサイドキックで相手にパスを出した時に正しい回転は縦回転をします。
小学生の多くは、インサイドキックを蹴っても正しい縦回転になりません。
横回転や斜め回転して相手にパスがいきます。
近年は、Jリーグ選手のカッコいい蹴り方を真似したりして、ワザとカーブ系の回転をさせてパスを出そうとする子もいますが、カッコつけたり、おしゃれなプレーは、自身が上手くなってからすれば良いパスです。
小学生のサッカースキルが未熟な時は、インサイドキックで縦回転のボールが蹴れることにフォーカスしてみてください。
実は、この縦回転させることは、インステップキックやインフロントキックなど、全てのキックに共通してくるキーファクターです。
・縦回転のボールが蹴れない
・縦回転のボールを蹴れるけどワザと蹴らない
では、大きく異なります。
小学生の場合、ほとんどの子が縦回転のボールが蹴れないのに、カッコつけてカーブ回転させたキックを蹴ろうとしたりします。
これは、実はあまり良くありません。
長いサッカー人生で正しいキックを手に入れたいと思う子であればあるほど、ボールの縦回転を意識させてあげてください。
当てるポイントは人それぞれ違う
最後に最も重要なポイントの話になりますが、人間は同じ人はひとりもいません。
骨格、体型、体重、身長、足の形、足の長さなど、全て異なります。
つまり、正しいインサイドキックに「これが正解です!」という蹴り方はありません。
AさんにはAさんの正しいインサイドキックの蹴り方があり、BさんにはBさんの正しいインサイドキックの蹴り方が存在します。
それをAさんやBさん自身が見つけ出すことが日々のインサイドキックの練習だと言えます。
「足のインサイド部分のどこのポイントにボールのどこを蹴ると正しいパスが蹴れる」というものが人それぞれ違いますし、人それぞれに必ず答えがあります。
それを本人に見つけ出させてください。
ちなみに私自身は、周りの人間よりもかかとに近い部分、足首に近い部分で蹴ると綺麗な縦回転をして、地面を滑っていくようなパスが蹴れます。
しかし、これはあくまで私のスイートスポットであって、他の人のスイートスポットは誰にも分かりません。
それを本人が分かるようになるために、何本でもインサイドキックを蹴ってみてください。
上手くインサイドキックが蹴れているか!?の基準は??
上手くインサイドキックが蹴れているか!?の基準は子供のフォームや蹴り方ではなく、実際に蹴られたボールの質を見て判断してください。
判断基準は、私の中では3つあります。
それが、
・ボールが地面を滑っていくようなイメージ
・ボールがしっかり縦回転している
・ボールの強弱がイメージ通りできている
になります。
Jリーグの選手のパスを見てもらうと分かると思いますが、強いボールが地面を滑っていくように相手にパスが通ります。
正直、私のようなプロになれないような人間でも地面を滑っていくようなボールは蹴れます。
もちろん、子供でも上手い子であれば、地面を滑っていくようなボールを蹴ることができます。
また、前述していますが、縦回転のボールが蹴れていることも重要です。
よくパスは強く蹴ろうと指導者から教えられますが、正確には常に強いパスである必要性はありません。
場面によっては、ワザと弱いパスを出した方が良い場合もあります。
そのため、正しいのは子供自身が思ったイメージ通りの強さのボールが蹴れているかどうかが重要だと言えます。
これらの部分を判断基準にしてインサイドキックの練習をしてみてください。
また、昔からのインサイドキックの指導で
・足首を固定しろ
・軸足のつま先は相手に向けること
など、蹴り方に対しての注意に特化する指導者が現在でも多くいますが、私個人としては伝え方が古いなと感じます。
正しい蹴り方を教えることは、重要なことなのですが、あまりにも蹴り方にフォーカスしても指導者のロボットを作るだけです。
前述したように人それぞれに体が違うので、蹴り方も千差万別です。
中には、体がくにゃくにゃしながら蹴ってるけど、パスはしっかりとしたパスが蹴れるなという子も少なからずいます。
蹴り方ばかりにフォーカスしすぎると子供達には伝わりにくいものになってしまいます。
それよりも実際に良いパスってどんなパスというものを目の前で実演して見せてあげた方がよっぽど子供達には伝わります。
子供にしっかりと伝われば、仮に子供ができなかったとしても、子供自身が「今のは良いパスだった!」、「今のは良いパスじゃなかった!」、「今のはこんな失敗をしたから良いパスにならなかった!」とセルフジャッジができるようになってきます。
なので、復唱になりますが、上手くインサイドキックが蹴れているか!?の基準は子供のフォームや蹴り方ではなく、実際に蹴られたボールの質を見て判断してください。
まとめ
サッカーでボールを蹴るということは、一見簡単そうに見えるのですが、運動神経が良くないと上手く蹴ることができません。
そのため、体の発達がまだ未熟な低学年の子が上手くできないのは当然のことです。
ただ、低学年だからできなくて当然、低学年だからインサイドキックをやらなくていいではなく、日々の練習で継続してやることが重要になります。
そして、継続してやっていれば、遅かれ早かれどこかで本人のやる気スイッチが入る時があります。
そのやる気スイッチを根本から潰さないために、上手くできなかったとしても怒鳴ったり、叱ったり、嫌な揶揄い方をしないように気を付けてください。
子供にインサイドキックを継続させれば、子供が掛け算の九九を誰でも覚えられるように、誰でも質の高いインサイドキックが蹴れるようになります。
親御さんは、慌てることなく時間を掛けて我が子の成長をサポートしてあげてください。
きっと上手くなるはずです!!
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