「ボールを取られないコツや練習方法が知りたい」
今回は、こんな疑問をお答えしていきます。
本記事の内容は
・ボールキープがもたらす3つのメリット
・ボールキープが巧い選手がしている5つのポイント
・ボールキープが巧くなるトレーニングを紹介
になります。
この記事を書いている私は、サッカーのC級ライセンスを所持して、少年サッカーの現場で約9年間ほどの指導実績を持っています。
ボールキープがもたらす3つのメリット
ボールキープとは、体を張って相手にボールを取られないようにボールをキープすることです。
ボールキープから直接的に得点に繋がることは少ないですが、ボールを失わずに自分達の攻撃を継続させるという意味では重要なプレーのひとつと言えます。
ボールキープは華やかではなく、一見すると地味なプレーですが、ボールキープを上手く使うことによってチームには大きな価値をもたらしてくれます。
ボールキープをすることによって得られるメリットは
・ボールを失わない
・味方が動く時間を作れる
・相手を引きつけることができる
になります。
順番に解説していきます。
ボールを失わない
ボールキープをすることで相手にボールを取られてしまうということを防ぐことができます。
例えば、パスを受けた時に相手のディフェンスに詰められていて、そこから強引にドリブル突破しようと思ってもボールを取られてしまいますよね。
パスを受けた時に良い状態ではないのであれば、ボールを運んだり、相手を抜いたりしようとする前に、ボールを失わないようにしたいものです。
ボールを失わないためにも上手くボールキープを使いたいものです。
味方が動く時間を作れる
ボールを失わないということは、周りの味方がパスを受けるために動く時間が作れることにもつながります。
例えば、ボールを持った選手が簡単にボールを失ってしまうと周りの選手は、パスを受けるために動こうと思っても動けません。
周りの選手がパスを受けてくれないのではなく、パスを受けてくれるための時間を作れていないという言い方もできてしまいます。
味方がいいポジショニングを取るために、上手くボールキープをして時間を作ることが大切です。
相手を引きつけることができる
上手くボールキープをすることによって相手にボールを取られないということはずっと言っています。
反対に相手としては、ボールを奪わなければ自分たちの攻めになりません。
1人でボールを奪うことができなければ、ボールを奪うために2人、3人と人数を割いてボールを取りに行く必要があります。
ボールキープしている選手に相手の複数人の選手を引きつけることによって他のスペースを空けることが可能になります。
その空いたスペースにパスを配給したり、味方が飛び込んでいくことによって大きなチャンスへとつながっていきます。
ボールキープは一見、遅い攻撃に見えますが、大きなチャンスを生み出すための伏線とも言えます。
ボールキープが巧い選手がしている5つのポイント
では、実際にボールキープが巧い選手は、どんな部分を意識してボールキープを行っているのでしょうか!?
ポイントは5つあります。
それが
・体全体を使って相手をブロックする
・ボールを相手から遠い位置に置く
・腕をうまく使って相手をブロックする
・体全体を使って相手をブロックする
・ボールキープしながら周りを観る
・ハーフターンを入れるとより効果的
になります。
順番に解説していきます。
体全体を使って相手をブロックする
ボールキープの基本は体全体を使って相手をブロックすることです。
なぜならボールキープの目的は、ボールを失わないために相手から逃げることではなく、「相手からボールを守る」ことだからです。
例えば相手にボールを失わない方法として、相手から逃げるという方法も考えられますが、それでは相手ゴールから遠ざかるばかりで相手ゴールに近づくことができません。
サッカーの目的は、相手ゴール近くまでボールを運んでいきシュートを決めるということですから相手ゴールに近づけないプレーはベストなプレーとは言えません。
相手がボールを奪いにきた時に自分の体全体を使って、相手にボールに近づかせないということがボール キープで重要なポイントです。
そのために自分の背中や腕側に相手がいる状態を作り、体全体で相手のプレッシャーを抑える必要があります。
ボールを相手から遠い位置に置く
ボールキープの基本は、ボールをできるだけ相手から遠い位置で常に持てることが重要です。
相手にボールを奪われたくないわけですから、相手に近い足でボールを持ったり、相手に近い位置にボールを置いていると相手の足がボールに届いて簡単にボールを失ってしまいます。
相手を自分の背中でブロックしながらボールは、相手から遠い場所に置くというのが基本です。
しかし、サッカーは相手が1人ではありません。
1人をブロックしている間に、他の相手がボールを取りに来たりします。
他の相手にボールを取られないために、周りを観たり、ボールを常に動かすということも同時に重要になります。
仮に相手2人がボールを取りにきたとしても、両方の相手から遠い場所にボールを運べるようにトレーニングしましょう。
腕をうまく使って相手をブロックする
ボールキープが巧い選手は、腕の使い方が非常に上手いです。
腕で相手を上手くブロックすることで相手をボールに近づけさせないことができます。
サッカーのルール上、相手を押したり、引っ張ったり、殴ったりすることは反則です。
そのため、手を相手に向かって押すように出すことは反則を取られますが、相手が来る前の段階で手を伸ばしておいたり、出しておくことは反則になりません。
だからボールキープが巧い選手は、腕を上手く使って相手がボールを取りにくる動きを腕で抑えこみます。
どうしたらボールキープの時に腕の使い方が上手くなるかと言うと、それは「経験値」、トレーニングの繰り返ししかありません。
何度でも失敗しながら学びながら上達していくしか方法はありません。
是非、何度でもチャレンジして、失敗を繰り返して、ボールキープが上手くなるようにしてください。
ボールキープしながら周りを観る
ボールキープは相手からボールを守ることが目的ですが、これが最大の目的では当然ありません。
ボールキープをして相手からボールを守りながら相手ゴールに迫っていかないといけません。
相手ゴールに迫る方法のひとつとして味方にパスを通すことが方法のひとつになります。
しかし、ボールキープをすることに集中しすぎて周りが観れなくなっていると
・相手がどこにいる
・味方がどこにいる
・スペースはどこにある
などの情報が得られず、正しい状況判断ができなくなってしまいます。
ボールキープをしながら周りを観るということができないと正しいボールキープとは言えません。
ポイントとしては、ボールキープをしている時に猫背などになって地面ばかり見ているという状態を修正して、上体を普通に立っている状態に近い状態にして目線が周りに向くようにすることです。
小学生などは、特にボールキープをしている時に目線が下がってしまう傾向があるので、できるだけ早い段階から修正しましょう。
ハーフターンを入れるとより効果的
ボールキープをして味方にパスを繋ぐというプレーも十分効果的ですが、さらに上を目指そうと思ったらボールキープから相手をかわすことができればワンランク上のレベルにいけます。
本当に巧い選手であればボールキープでボールを失わないのは当然で、そこからどんな状況でも味方にパスを繋いだり、相手をかわしたりすることが容易にできます。
世界的に有名なトッププレイヤー、例えばメッシ、ロナウド、ネイマール、イニエスタ、一昔前ならジダンなど、名だたる名選手達は相手2人や3人に囲まれたとしてもボールを失わずに相手を抜き去っていきます。
指導者目線で言えばボールを失わないようにパスを繋ぎなさいという指導になりますが、選手独自の判断で相手をかわしていけるのが本当の意味での巧い選手と言えます。
ボールキープした状態から相手をかわすのに有効な方法のひとつとしてハーフターンが有効です。
相手がいる近い方の足をコンパスの軸にしてボールと一緒にターンして相手と入れ替わるようにすることができれば割と簡単に相手をかわすことができます。
簡単にと言いましたが、実際はトレーニングを積み重ねないと上手くできません。
このハーフターンも何回でもチャレンジして、何回も失敗してできるようになるまでトレーニングしてみましょう。
ボールキープが巧くなるトレーニングを紹介
では、実際にボールキープが上手くなるトレーニングをいくつか紹介したいと思います。
1対1 4ゴール
テーマ(重点ポイント)
・ボールと相手の間に体を入れる
・どこのゴールにドリブルするのが良いのかを状況判断する
準備(必要な道具)
・ボール
・カラーコーン 8個
進め方(トレーニング方法)
・コーチがボールを中央に向かって転がしてスタート
・選手はボールに触らずに相手よりも良いポジションをキープするために体を張る
・コーチの合図と同時にドリブルして4つあるゴールのどれかをドリブルで通過する
・発展系として2対2で行うのも良い
コーチングのポイント
・相手に良いポジションを取られないように体を張って良いポジションを守るように促す
・相手に良いポジションを取られた選手は、良いポジションを奪い返させるよう促す
・ドリブルをする時にどこのゴールを狙うことが良いのかを問いかける
1対1 2サーバー
テーマ(重点ポイント)
・ボールをキープした状態からハーフターンを入れて反対のサーバーにパスを繋ぐこと
準備(必要な道具)
・ボール
・マーカー(選手の立ち位置の目印用)
進め方(トレーニング方法)
・サーバーからパスを出してボールをキープさせる
・相手にボールを取られないように巧くハーフターンを入れて反対側のサーパーにパスを繋ぐ
・難易度が高いのであれば一定時間ボールキープをさせてリターンパスもありにする
コーチングのポイント
・サーバーからのパスをパスカットされないためにどうすれば良いかを問いかける
・どういう状態であればハーフターンが成立するのかを問いかける
*追記
ボールキープのトレーニングでゴールも目的も設定しない1対1のボールの取り合いのトレーニングをする光景をよく目にします。
何度も繰り返しになりますが、ボールキープをしてボールを守ることが最大の目的ではないので、ボールキープのトレーニングであってもできる限りゴールや目的を設定した方が良いトレーニングになります。
まとめ
ボールキープとは、体を張って相手にボールを取られないようにボールをキープすることです。
また、サッカーの試合においては、ボールをキープすることが最大の目的ではなく、ボールキープでボールを守りながら味方にパスを繋いだり、相手をかわしたりして相手ゴールにボールを近づけることが最大の目的になります。
そのためにボールキープでボールを守るということだけに囚われず
・ボールキープしながら周りを観る
・ボールキープから相手をかわす
などが合わせて必要な要素になります。
誰しも最初からボールキープが巧い選手はいません。
ボールキープが巧い選手も何度もチャレンジして、何度でもトレーニングした結果として上手くなるので、仮に上手くボールキープができなかったとしても慌てる必要はありません。
トレーニングを積み重ねれば、体格的に劣るような選手でもボールキープはできるようになります。
ボールキープが苦手だからやらない、とするのではなく苦手だからこそ積極的にチャレンジしてみてください。
大丈夫です!必ずできるようになります!!
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