「少年サッカーのコーチをしているけど子ども達が思ったように巧くなってくれない」
「子ども達が言う事を聞かないし成長もしてくれない」
今回は、こんなお悩みを持たれている少年サッカーのコーチ向けにどのようにコーチングすれば子ども達が巧くなっていくかをご紹介していきたいと思います。
こんにちは。debuyaです。
私は偉い立場でも何か権威がある立場でもありませんが、なぜこのような事をお話ししようと思ったかというとあなたと同じで私自身も以前は、かなり悩んだからです。
思ったように子ども達が巧くなってくれず、試合の結果も付いてきてくれない状態で、正直子ども達の運動神経が悪いとか子ども達の賢さが足りないとか子ども達の責任にしていた時期もありました。
しかし、周りのトップレベルのチームコーチと話をしたり、ライセンス講習を受けたりしていくなかで、やはり自分の指導力が足りていないだけだと痛感しました。
地方の町のクラブチームや少年団レベルで優秀な子ども達が満足に集まってくれないというチームの声も理解はできます。
Jリーグの下部組織のようにセレクションしているわけでもありませんし、教材動画でデモしてくれるような巧い子ども達ばかりではありません。
しかし子ども達は大なり小なり、正しいコーチングをすれば必ず成長して巧くなってくれます。
そして正しいコーチングをすれば優勝や常勝チームとまではいかないにしても小学年代のトップレベルのチームと「良い試合ができる」ところまでは持っていけるはずです。
そこで、私のこれまでのコーチ経験から実際に感じた、何かの販売目的ではない生の声を書いていきたいと思います。
今回の記事を読み進めてくれれば、全てが上手くいくとは言いませんが、必ず何かの参考にはなってくれると思います。
子ども達がサッカーを巧くならないのはコーチのトレーニング方法が悪いから
一番最初に結論的な回答になるかもしれませんが、子ども達がサッカーを巧くならないのはコーチのトレーニング方法が悪いからに尽きます。
誰のせいでもありません。
なぜかと言うと「子ども達がどう伸びてくれるか!?」ではなく「コーチが子ども達をどのようなプレイヤーにしたいのか!?」が大切だからです。
そんなこと言ったら子ども達がコーチのロボットみたいになるじゃないですか!?と反論が出そうですが、私も最初は、この部分を間違えていました。
例えば、オフェンスとディフェンスの1対1のトレーニングをするとしましょう。
あなたは、子ども達になんの技術を巧くさせようと思っていますか!?
ドリブルの抜き方!?
ディフェンスのやり方!?
ボールタッチ!?
体の使い方!?
シュート!?
え!?1対1だから1対1に勝つか負けるかが重要じゃないの!?
そんなこと考えたことないよ!?
と思われた方であれば間違っています。
さらに例えると子どもがボールを失った、または抜かれた、などミスが発生した時に何を指摘しますか!?
「ボールを失うな!」
「抜かれるな!」
は問題外の指摘方法です。
「もっとフェイントを使え!」
「もっとスピードを使え!」
「ディフェンスに向かっていくな!」
もっともらしいコーチングですが、この全てを指摘しているのであれば、最初に戻って「子ども達に何を巧くさせようと思っているんですか!?」というポイントに戻ります。
子ども達は、良い意味で賢くありません。
コーチであるあなたが思っている2割りも理解できていないです。
だからこそテーマを絞らないといけないのです。
1対1のトレーニングを漠然と続けても子ども達は巧くなりません。
例えば、子ども達にスピードの変化を習得して欲しいというのであれば、「スピードの変化」という部分にだけをフォーカスする必要があります。
どうやったらスピードの変化ができるようになるのか!?
スピードの変化をしたい時に体をどうしないといけないのか!?
など、より具体的にスピードの変化について教える必要性があります。
スピードの変化をテーマに1対1をするのであれば、ディフェンスのスキルは指摘する必要は全くありません。
ディフェンスが緩すぎてスピードの変化の練習になっていないというのであれば、もちろんディフェンスを激しくするように指摘しないといけません。
だからスピードの変化を巧くしたいのであればフェイントをする必要性もありませんし、指摘する必要性もありません。
スピードの変化がテーマなのであれば、とにかくスピードの変化に特化したトレーニングをしてください。
そうすれば、子ども達はスピードの変化が大なり小なり巧くなります。
間違って欲しくないのは、スピードの変化が巧くなっただけで、ドリブルが巧くなっているわけではありません。
しかし、ドリブルという大きな枠は、スピードの変化やフェイント、ドリブルの方向など、あらゆる細かい要素で構成されています。
その細かい要素をひとつひとつ巧くしていかないと最終的にドリブルが巧くなることはありません。
だからトレーニングに関しては、テーマをできるだけ絞りましょう。
ただし、テーマを絞って子ども達に指導するわけですから、子ども達以上にコーチであるあなたがサッカーについて理解し、子ども達にしっかりと伝えれるスキルが必要になるので当然ですが、コーチが努力するのは絶対条件になるのでこの点は理解してください。
トライアンドエラーを繰り返し修正していきましょう
トレーニングは、今預かっている子ども達に合った最適なトレーニングが必ずあります。
この最適なトレーニングを見つけ出してください。
ポイントは簡単すぎず、難しすぎず、ちょっとだけ難しいトレーニングにするということです。
なぜなら簡単すぎると子ども達はトレーニングに飽きてしまいます。
難しすぎるとできない事に嫌気をさします。
この「ちょっとだけ難しいトレーニング」というのが重要なポイントで、子ども達のやる気を引き出すポイントになります。
よく試合会場で見かけるのは、バルセロナやレアル・マドリードといった世界のトップクラブがやっているトレーニングを真似して子ども達にさせているコーチをよく見かけます。
コーチが好きなチームだからなのか!?世界のトップチームが行うトレーニングだからなのか!?わかりませんが、実際にやっている子ども達を見ていると、自分で考えずロボットみたい、パスも全然つながらない、コントロールもままならないなど、トレーニングになってないんじゃない!?とツッコミを入れたくなるような場面が多々あります。
世界のトップレベルのトレーニングを上部だけ真似しても子ども達は巧くなりません。
そんな高いレベルのトレーニングをする前にもっとしなければいけないトレーニングがあるはずです。
パスの精度
コントロールの精度
体の使い方
味方との連動性
など、子ども達をよく観察すれば課題は必ず発見されます。
その課題を子ども達が克服できるようなトレーニング作成をコーチであるあなたが作っていかないといけないのです。
近年の情報化社会であればトレーニング方法はいくらでも手に入ります。
あとは、トレーニングの中で何を子ども達に習得させたいかをフォーカスしていく必要があるのです。
繰り返しトレーニングをしていればトレーニングのどこが良くて、どこがダメだったかが分かってきます。
トレーニングで成果が出ない日があっても当然です。
その成果が出ないトレーニングを繰り返さず、いかに修正していくかがコーチの仕事です。
試合はトレーニングでした事を実践できるかの場所
試合は「試し合い」と書きます。
まさにトレーニングでしてきた事をお互いのチームが試し合う場所です。
ライセンス講習では「M-T-M」という言葉を学びます。
マッチ-トレーニング-マッチの略です。
トレーニングをして試合で出た課題を改めてトレーニングしてまた試合をする。
というルーティーンを表した言葉です。
試合の結果を重要視するコーチは、やはり多いです。
しかし、本来はトレーニングしたことを試合で実践すれば結果はついてくるはずなんです。
トレーニングした内容が試合の中でもできているかという内容の結果は求めていくべきです。
その内容の結果が出れば必然的に試合の勝率は上がるはずなんです。
この事をコーチは理解していないといけません。
よく、内容さえ良ければ試合の結果が付いてこなくても良いというコーチもいらっしゃいます。
それも私からすれば半分理解できますが、半分はよく理解できません。
よくドリブルばかり教えているチームでありがちな会話です。
(*全てのチームに当てはまりませんし非難するための発言ではないのでご理解ください)
なんのためのドリブルで、どういった場面で使いたいドリブルなのかはっきりわからないようなチームは意外と多くあります。
試合のためのドリブルではなく、ジャグリングのためのドリブルなのでは!?と言いたくなるようなドリブルです。
サッカーの本質は点を取って、失点しない、勝つか負けるかが最も重要なポイントのはずです。
この本質のためにドリブルをトレーニングしてパスをトレーニングしてシュートをトレーニングしているはずです。
だから本質がズレなければトレーニングした内容を試合の中でも出せれば、試合の結果はついてくるはずですし、勝率は必然的に上がっていくはずです。
ですからコーチであるあなたは、子ども達がトレーニングしたことを試合の中でも出せているか出せていないかにフォーカスして試合を見守ることが重要です。
その内容次第で試合の結果は、勝手についてくるはずです。
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まとめ
子ども達がサッカーが巧くならない事を子ども達のせいにしていても何も変わりませんし、何も改善されません。
背負い込む必要はありませんが、でもコーチ次第で子ども達は巧くもなるし、巧くならないことにもなります。
コーチが学ぶ事を辞める時は、コーチを辞める時です。
コーチという立場である以上は、学びを辞めてはいけません。
必ず失敗もあります。
でも、悩みを乗り越えてチャレンジし続ければ必ず子ども達の成長した姿、巧くなった姿を見ることができるはずです。