「少年サッカーで適切な練習量ってどれくらいなんだろう!?」
「サッカーをやりすぎて子どもの体が心配!」
「子どものやる気を親としてどう受け止めてあげればいいのだろう!?」
今回は、こんなお悩みを持たれている親御さん向けにお答えしていきます。
この記事を書いている私は、サッカーのC級ライセンスを所持して、少年サッカーの現場で約9年間ほどの指導実績があり、チームを県大会で優勝させた実績もあります。
こんにちはdebuyaです。
現代の少年サッカーの現場レベルでは、子ども達が非常に多くの時間をサッカーに費やしているなと感じます。
・子どもをプロサッカー選手にしたい
・高校生になってもレギュラーで活躍できる選手になって欲しい
・サッカーをしていないと子どもがだらけるから、せめてサッカーくらいは一生懸命してほしい
など、親御さんの考え方は色々とあるかと思います。
しかし、練習量や練習内容を親御さんに聞いてみると
・週に5〜6日サッカーをしている
・所属チームで週3〜4回、サッカースクールに週1〜2回
・1日に4〜5時間練習する時もある
など、一体子ども達の休息日はいつなんですか!?と問いたくなるような日常を過ごしている子どもは少なくありません。
少年サッカーの指導者である私の立場としては、各家庭の親御さんが考えられることなので無理強いをすることはできませんが、できる限り正しい情報を提供できるようには努めています。
しかし、現実は、あまり受け入れられないのが正直なところです。
私も含めて、現在の子ども達の親御さんは、自分達が少年時代に行なってきたことが「当たり前」という感覚で子ども達や指導者と接しているので、どうしても「練習量」を増やそうとする傾向が強いです。
私も「ボールを触る時間を増やした方が巧くなる」という考え方には一定の理解はありますし、実際そうだとも思っています。
しかし、練習のしすぎによる「オーバートレーニング」になると話は別問題です。
オーバートレーニングは子どもの心身を削っていきますし、サッカーを嫌いなものにしてしまいます。
子どもをオーバートレーニングから守りながら、いつまでもサッカーが楽しいと感じてくれるようにするのが親としての努めです。
練習時間よりも休息時間の確保が重要
「少年サッカーの練習量は、どれくらいが良いのですか!?」という問いがあったとすると答えはありません。
各チームやスクールが行う練習時間も違いますし、練習の強度も違うので一概には言えません。
そのため、練習量を意識するのではなく、休息時間の確保を行うことが重要になります。
休息を確保して、心身ともにリフレッシュされた状態を維持しなければ、練習の効果は生まれません。
もっと言うのであれば、リフレッシュした状態でなければ、怪我のリスクが増えるだけです。
一例として、サッカーでは強度の高い練習を90分行った時に72時間の休息が必要だと言われています。
強度の低いテクニック系の練習であっても24時間の休息が求められています。
ただし、72時間の休息が必要とあっても完全なる休息をする必要はありません。
仮に1日を完全なるオフにして残りの2日間を負荷を落とした練習やテクニック系の練習に充てることで練習のしすぎという問題をクリアすることができます。
例えばJリーグや日本代表でも同じようなルーティーンが設定されていると考えられます。
試合の日を強度の高い練習日と同じように設定したと考えれば、翌日はオフor軽めのフィットネスでクールダウンの日に当てられる
その翌日から軽めの強度の練習に2日間ほど充てられる
週2日の試合の場合は、翌日に試合、週1日の場合は、残りの練習日は、次回の試合への対策などに充てられる
などのルーティーンが出来上がっています。
・自主練などをして他の子よりも練習しないと上手くならない
・練習を休むと試合で使ってもらえない
などの親としての反論も当然あるかもしれません。
しかし、現代の進化した時代に、旧来からある部活動のようなやり方や昭和の時代のような考え方をする指導者のチームでプレーさせること自体良いものではありません。
子どもの休息を確保することによって、良いプレーや良いひらめきが生まれます。
子どもは常に大丈夫としか言わない
子どもは自分の体調管理を自分ではできません。
なぜなら大人のように冷静に自分の状態を確認することができないからです。
仮に練習のしすぎかなと感じている親御さんであれば、一度真剣に我が子の練習している姿をよーく見てみてください。
疲れている表情をしていたり、動きが鈍かったり、体の痛みを訴えたりしていませんか!?
もしも、そんな雰囲気が我が子にあるのであれば、親として無理矢理でもストップをかけるべきです。
良い意味で子どもを信じる、良い意味で親が子どもに歯止めをかける必要があります
でも、子どもがやる気マンマンだからと反論もあるかもしれませんが、何度も言うように休息の確保が子どもの成長に繋がります。
怪我をしてからでは遅いのです。
少年サッカーの各チームやスクールなどで行われる練習自体が強度が高くないから大丈夫という意見もあるかもしれません。
しかし、実際は同じチームで週6日練習しているチームは、ほとんどありません。
同じチームの中であれば、練習の強度を指導者レベルで調整できます。
しかし、子どもが独自にスクールや自主練をしていれば、この子がどれくらい強度の高い練習をしているのかは管理外になってしまいます。
ひょっとしたら大人レベルでは強度が高くないと思っていても、少年サッカーとしては非常に強度の高い練習をしているかもしれません。
そうなると休息時間を確実に確保しなければいけなくなります。
子どもに最も近い位置にいる親御さんがしっかりと我が子の体調管理をしてあげてください。
子どものサッカーの目標設定が重要
限られた時間の中でより多くの成果を生み出すために目標設定をすることは重要なことと言えます。
日本人は時間を費やせば巧くなるという意識が非常に高いです。
しかし、やみくもに練習をしたとしても成果は生まれません。
昔から「練習量と流した汗は嘘をつかない」と言われたりしますが、実際は平気な顔で嘘をつきます。
前日本代表監督であるイビチャ・オシム氏がこんな言葉を残しています。
「今日の結果ではなく、明日子どもがどんなプレーをするかを楽しみに指導すること!!」
JFAが推奨する考え方で、サッカーの育成年代で広めようとしている言葉です。
何をテーマにして、どのようなスキルを身につけたいのか!?を具体的にしていかないと練習時間をどれだけ増やしても時間の無駄遣いになるだけです。
子どもが純粋にサッカーを上手くなりたい、試合に出たい、試合で勝ちたいと思うことは大切なことです。
子どもが今日よりも明日、サッカーが巧くなっているためにサッカー漬けの毎日にならないようにしっかりと親であるあなたが子どもをコントロールしてあげてください。
まとめ
練習に時間を費やせば「自分はこれだけの時間頑張ったんだから!!」という自信は生まれるかもしれません。
しかし、これは一時的なメンタル的な自信を与えるだけで、本質的なサッカーの上達にはなっていません。
サッカーを上達させたいと本気で考えるのであれば、子どもに必要な休息時間を確保することが非常に重要になります。
我が子を言い意味で「サッカーバカ」にしないであげてください。
親御さんと我が子の信頼関係がしっかりと構築されていれば、子どもは親の言うことをちゃんと聞いてくれます。
子どもの体調管理のために親御さんがしっかりと子どもの管理をしてあげてください。
【休む子ほど伸びる】
子どもが常に集中することは不可能です。
サッカーが巧くなる子は、言い意味でメリハリがある生活をしています。
サッカーの練習に集中する時は集中する、だらける時はだらけるのようにオンとオフを上手く使い分けています。
親御さんであるあなたが子どもを理解してあげて、うまく誘導させてあげることが大切かもしれませんよ。
ドイツの子どもは審判なしでサッカーをする [ 中野吉之伴 ]
*上記リンクは外部リンクです。