こんにちは。debuyaです。
今回は、8/23に行ったトレーニングマッチについてご紹介したいと思います。
今回のトレーニングマッチは、ウチのチームとAチーム、Bチーム、Cチームの4チームで総当たりのトレーニングマッチでした。
6人制で10分ハーフで行いました。*Bチーム戦だけは9人制になりました。
前日のトレーニングの段階でパスを選択する選手が何人か出てきていたので、今回のトレーニングマッチでは、同様にパスを選択する選手が出てくるか楽しみでもあり、不安でもありました。
結果的には、局面でパスを選択する選手やフェイントを使って上手く相手を交わす選手などが何人も出てきて、これまでよりも充実した内容になったと思います。
なぜ、パス練習やフェイントの練習などをしていない低学年の子ども達がパスを選択したり、パスを受けるような動きをしたり、フェイントをするようになったのか!?
私自身の中での答えがあるとするのであれば、やはり「観る」という事が以前よりもできるようになってきたからだと思います。
以前までのトレーニングの中でもずっと「ボールばかり観ない」という事を子ども達に伝えてきました。
特にドリブルやボールを持った状態の時に目線を下げずにボールを観ないという事は常に言い続けています。
ボールを観ないでドリブルをしたり、ボールを扱ったりする事ができれば必然的に周りが観れるようになってきます。
周りが観れるようになれば相手がどういう状況か!?味方がどういう状況か!?が分かってきます。
そうすれば、ドリブルで運ぶべきか!?抜くべきか!?パスを出すべきか!?などの判断ができ、あとは何を選択するかは選手次第にできます。
なので私からパスを出せと指示を出さなくても選手が勝手に判断してパスを出したという部分に繋がってくると思います。
もちろん、ボールを観ないでドリブルするという部分は低学年の子ども達からすればハードルは高いものです。
これを改善させる唯一の方法は日々のトレーニングで時間を掛るしかないと思います。
低学年の子ども達にさせるトレーニングでコーンドリブルなどが多くあります。
そのトレーニングの多くは、ボールを観ないという事よりも足元の技術やフェイントを掛る事などに重点が置かれている事が多いです。
子ども達への指導に正解、不正解はありませんが、私個人的には好きなやり方ではありません。
なぜなら、「観る」という行動を自然にできるようにしたいからです。
テクニックやフェイント、ボールタッチなどは、時間を掛ければ高学年に上がったとしてもレベルアップできると考えています。
低学年の間に下を向いて常にプレーするというクセをつけさせたくないのが私の考えです。
ボールを観ずにストレスなくボールを扱えるようになるまで日々のトレーニングをがんばるのみです。
そのトレーニングをした事が実際に試合の中でもできるかどうかを確認するのが試合です。
このルーティーンは私の中ですごく重要な部分だと考えています。
今回のトレーニングマッチでは、日々のボールばかり観ないという意識が想像以上に出てくれたと感じています。
仮に、この記事を見てくれている低学年を預かっている指導者さんで、子ども達の成長が思ったよりもないと思っている方がいらっしゃるのであれば騙されたと思って是非一度「ボールばかり観ない」というテーマでトレーニングしてみてください。
では、試合結果と内容について紹介していこうと思います。
トレーニングマッチ 第1試合
・対戦相手 Aチーム 6人制
・結果 2-2 引き分け
・子ども達に与えたテーマ
まずは相手からボールを奪う事
相手陣地にボールを運ぶ事
・試合内容
ボールを奪いにいく意識が高かった
・課題
奪われ方が悪く失点に直結するプレーは今後避けていきたい
・寸評
前回の試合からそれほど多くのトレーニングの時間が無かったので前回までの復習も兼ねて相手からボールを奪うという意識付けをしました。
トレーニングの時にもボールを奪いに行かず前線でパスが来るのを待っている選手が何人かいたので全員でボールを奪うという共通認識を再確認しました。
自分がどれだけドリブルしたい、シュートを打ちたいと言っても相手からボールを奪わないと攻める事はできない。
では、ボールを奪うのは誰なのか!?
それは自分自身であって、他の人がボールを奪って自分はボールを貰って好き勝手に攻めれば良いという事は絶対にありえないという事を試合前に再確認しました。
人任せにするような選手は、人間的にも良い人とは言えません。
自分自身が責任を持ってチームを勝たせるくらいの気持ちや考えを持ってもらわないと主体的に動ける選手にはなりません。
そのため、私自身はディフェンスをしない選手や試合中にサボろうとする選手を嫌います。
全員で守って全員で攻めるのが理想です。
実際の試合においてもディフェンスをしない選手やサボろうとする選手を減らす方が勝率は上がります。
また、選手の成長も促せます。
1試合目は、ほぼ互角のような内容でした。
お互いに一瞬の隙ができた時にゴールを奪ったような試合になりました。
ただ、試合内容とは別でボールを奪いにいく意識、ボールを運ぶ意識は、こちらの方が積極的にできていたように感じました。
勝ち切れなかったのが唯一残念な点です。
トレーニングマッチ 第2試合
・対戦相手 Bチーム 9人制
・結果 1-0 勝ち
・子ども達に与えたテーマ
ボールを奪うポイントを考えてみる
・試合内容
積極的に相手からボールを奪って主導権を握っていた
・課題
目の前のボールを誰かに任せる選手が何人かいた
シュートの精度が非常に低い
・寸評
1試合目でボールを奪いにいく積極性はありましたが、ボールを奪うポイントはあまり理解していなかったので選手達にちょっと考えてもらいました。
1試合目は、相手選手が味方にパスを出してトラップしてからプレッシャーを掛けにいくという感じでした。
ボールを奪う位置は高い方が良いか低い方が良いか!?
ボールを奪いにいくタイミングはトラップしてから!?トラップする時!?トラップする前!?
試合経験が少なく、トレーニングで言った事もない内容でしたが、低学年の子ども達は一生懸命考えて答えていました。
言葉を求めると誰も答えなくなるので2択を与えると割と子ども達は答えてくれます。
試合前に考えてもらった事もあってゴールキックやスローインなどボールを奪いにいくタイミングが分かりやすい場面では1試合目よりも積極的にボールを奪いに行けてました。
得点のチャンスは大量にありましたが、シュートを打ち切れず体勢を崩したり、シュートを外したりとシュート精度は大きな課題として残りました。
トレーニングマッチ 第3試合
・対戦相手 Cチーム 6人制
・結果 1-0 勝ち
・子ども達に与えたテーマ
すぐ近くにあるボールは誰かにお任せにしない
・試合内容
体を張ってボールを守る選手が増えた
・課題
シュートの精度が非常に低い
・寸評
2試合目に目の前にボールがあるにも関わらず巧い子にお任せしてしまう選手が何人かいました。
サッカーが巧い、下手に限らず、自分で積極的にボールを奪いにいく、プレーするという気持ちや考えを持って欲しいので試合前に「絶対に人任せにしない、自分が積極的にボールを触りにいく事、失敗しても全然オッケー!」と話をして試合に臨ませました。
3試合目の相手は本日の対戦相手の中で一番強かったと思います。
プレッシャーも激しく、こちらがやりたいようにやらせてくれませんでした。
相手が強かったという事が功を奏したのかは分かりませんが、他人任せにする選手は誰もいませんでした。
言い方は悪いかもしれませんが、下手な子は下手なりに体を張ってボールを奪って、ボールを守っていました。
選手達に一定の成果があり、自信が出たのか、後半になるとベンチにいるほとんどの子が「試合に出たい!」と騒いでいました。
うるさかったですが、指導者として嬉しい瞬間でもあります。
本日の3試合を通して選手達は、かなり自信を付けてくれたように感じました。
次回のトレーニングや試合が楽しみな内容になりました。
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まとめ
今回のトレーニングマッチは、試合と試合の間の時間が多くありました。
私は試合の間隔が長い時には、あえて選手達に自由な時間を与えるようにしています。
最大の理由は、選手自身に時間の使い方を考えて欲しい事です。
何をするためにこの場所にいるのか!?試合前にどう行動したらベターなのか!?などを選手自身が考えて行動して欲しいからです。
単に自由を与えるのではなく、しっかりと説明して、選手達に話を聞いてもらえれば、ほとんどの選手はおかしな行動をしません。
親が声を荒げて行動を制さないといけない場面もほとんどありません。
これは高学年に限らず、低学年の子でも同様です。
指導者がまともな事を言えば選手もまともな行動を取ってくれます。
またサッカーが好きな子が集まっているとはいえ、試合や試合前後のミーティングで一定の規制は選手には掛かるので、それをほぐすという意味でも自由な時間は与えた方が良いと考えます。
イメージとしては学校の授業と休み時間のようなバランスでしょうか!?
今回は試合と試合の間隔が1時間以上あり、自由な時間も1時間ほど与えましたが、みんな良い子にしていました。
試合でベストを尽くすために軽食を取る子、日陰で休む子、周りに迷惑が掛からないように遊ぶ子など、時間の使い方は人それぞれです。
人間性が成長してくれば、指導者の話をちゃんと聞けるようになります。
話をちゃんと聞ければサッカーが巧くなっていきます。
サッカーが巧くなれば、よりサッカーを楽しんでくれます。
こうした好循環を続けていきたいと考えています。
「ウチのチームの子は、お子ちゃまだから無理」と大人の勝手な偏見を持っているチームほど是非試してみてください。
子どもに教育して、子どもを信じてあげれば、誰でも成長してくれますよ。